知りたい!介護サービス 堀口直孝
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介護コラム
第19回 訪問介護における実地指導への対応ポイント(6)2017/5/22
平成29年度介護報酬(介護職員処遇改善加算)改定に伴う
必要な事務処理を忘れずに!
コラム第12回にも掲載させていただきましたが、介護報酬改定等が行われる毎に必要な(変更)事務処理が発生します。法令において遵守が求められる対応の1つです。
平成29年度は、3年ごとの大きな介護報酬改定時期ではありませんが、介護職員処遇改善加算の見直し改正が行われました。当該見直し改定を事例として、介護報酬等改定時に必要な事務処理について、再点検してみましょう。
根拠となる法令等
厚生省令第37号 第2章 第8条「内容及び手続の説明及び同意」 第1項
指定訪問介護事業者は、指定訪問介護の提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者又はその家族に対し、運営規程の概要、訪問介護員等の勤務の体制その他の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書(重要事項説明書)を交付して説明を行い、当該提供の開始について利用申込者の同意を得なければならない。
(老企第25号) なお、当該同意については、利用者及び指定訪問介護事業者双方の保護の立場から書面によって確認することが望ましいものである。
老健局振興課・高齢者支援課・老人保健課・介護保険指導室 発 (都道府県等介護保険担当 宛)
平成26年4月1日 事務連絡
「(消費税改正に伴う)平成26年度介護報酬改定により変更される重要事項説明書の取扱いについて」介護報酬改定によって介護事業所においては、介護保険サービスの利用料等が変更されることから、これに伴い重要事項説明書の変更を要することが想定されます。
重要事項説明書は、内容の変更を行う場合、あらためて説明を行い、同意を得ることが適切と考えられます。しかしながら、(今般は消費税率引上げに伴う臨時・特例的なことから)重要事項説明書の変更にあたっての利用者又はその家族への説明及び同意については、利用者の保護並びに事業者の事務負担軽減の観点から、各介護事業者の判断により、例えば次のような対応を取ることも可能と考えられます。
≪対応例≫
利用者負担額改定表を紙で配布等行った上で、利用者又は家族へ説明し理解を得る。改定に同意した旨の署名捺印は必ずしも要しないが、各事業者は以上の説明を行った日時・方法・対象者を明確に記録し残しておくこと
1.変更修正が必要な書類
☞ 「(契約書)重要事項説明書」
重要事項説明書の利用料金に関する条項の“介護職員処遇改善加算”記載箇所について、平成29年度より取得する加算区分とその加算料率に変更修正します。
☞ 運営規程の変更(掲示用の運営規程も含め)
利用料金の“介護職員処遇改善加算”記載箇所について、平成29年度より取得する加算区分とその加算料率に変更修正します。
<変更届>: 重要事項の変更が発生した場合は、行政へ変更届の提出が求められています。しかし、国が行った改定(介護報酬改定など)による場合は、変更届の提出不要とする行政もあるので管轄行政の取扱情報をご確認してください。
2.変更通知
☞ 「利用者等への説明並びに同意」
(サービス提供責任者等が)利用者負担額改定表を作成し(紙で)配布等行い、利用者又は家族へ説明し理解を得るようにします。
(署名捺印は必ずしも要しないが)説明を行った日時・方法・対象者については、しっかりと記録に残します。
<効率性ある事務処理の例>
今回の介護職員処遇改善加算見直しのようなことがあった場合は、重要事項の内容に変更が生じ、利用契約者へは、重要事項説明書の一部が変更になったことについて通知が必要となります。この“重要事項説明書の一部変更通知”により当該改定内容の通知(改定表)も兼ねると、事務処理上効率が良いものとなります。
3.その他
<担当ケアマネージャーへのお知らせ>
介護職員処遇改善加算のように、各事業所が取得する加算等の区分により給付算定に変更が生じるケースについては、給付管理を行う担当ケアマネージャーへも取得する加算等の区分についてのお知らせが必要となります。
<介護予防・日常生活支援総合事業の場合>
総合事業の場合についても、同様の事務処理対応が必要となります。
〔介護処遇改善加算取得に係る手続〕
「加算届・介護職員処遇改善計画書」や「事業費の算定に係る実施・体制に関する届出書」の提出先は、都道府県でなく、市(区)町村となります。
来年度(平成30年度)は3年に1度の介護報酬改定がある時期です。訪問介護についても生活援助などについての見直しが予想されています。また、制度の見直しにより3割負担の導入(平成30年8月実施)が行われることになります。
なお、利用者等への説明などの事務処理については、見直し内容が施行される前に行われるよう求められています。
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堀口 直孝
シルバーケア・サービス豊住 顧問
経営コンサルタント
プロフィール
看護婦家政婦紹介所の上部団体である(社)日本臨床看護家政協会の管理者として家政婦の職場確保を支援するための事業の開発推進にあたる。
平成6年 健康保険法の改正により病院の付き添い介護が廃止されたため、家政婦たちの職場を在宅へシフトするためのモデル事業の実施会社を同協会内に設立。
同社において在宅介護サービスを立ち上げ、東京都11区よりホームヘルプ事業を受託、介護保険制度施行後、指定事業者として管理、運営を行う。
平成14年 (株)ふれんどりーホームサービスを設立し、東京都千代田区を中心に訪問介護、居宅介護支援事業を実施するかたわら、同事業のコンサルタントも行う。平成30年より現職。