みつさんの家を初めて訪れたのは3月中旬だった。古い座敷から見える庭の蝋梅の花に落ちる雨が、冷たい午後のことだった。・・・続きを見る
見つめよう!人と介護 向井 洋江
人が人を介護するということ―それを改めて見つめなおしてみよう。
偉人や著名人などの話や向井先生ご自身の詩を織り交ぜて、介護と人との関わりについてお伝えします。
介護コラム
第6回 ケアと介護度
第5回 愛という処方箋
子供たちのお腹の痛みを治したのは、母の愛という処方箋。手は言葉を超えて、子供たちの柔らかな体に触れている。さてそれでは、福祉という仕事に就きながら人の痛みに寄り・・・続きを見る
第4回 あとにつづく人たちへ
本棚の隅に置き忘れていた一冊の本。広げてみると、女山頭火と自身をそう呼び、日々を呟きながら歩いているひとりの詩人がいました。・・・続きを見る
第3回 「ケア」~その深きもの~
その日、88歳のFさんの血圧は160と86、脈拍は1分間に72で不整はありませんでした。聴診器を耳からはずしてかばんの中にしまおうとする私に、眼を細めて少しうつむきかげんに・・・続きを見る
第2回 食すること―女たちの台所
健康は、日々の食事によって実現されるといっても過言ではありません。身体的にも精神的にも満足する献立を調理し食卓に供すること―それは、これまで多くの女たちが担って・・・続きを見る
第1回 「自立」と「自律」
茨木のり子さんの詩に「倚(よ)りかからず」というものがあります。1926年(昭和元年)生まれの老年期を迎えた茨木さんは、まわりへの投げかけと同時に内側への決意の・・・続きを見る
向井 洋江
詩人・ケアマネージャー・社会福祉士
プロフィール
1981年豊中市の行政においての在宅福祉のかかわりを機に、シルバー新報に詩とエッセイの連載が12年続く。その後、社会福祉協議会にて、訪問介護や在宅介護支援センターでのコーディネーター・ソーシャルワーカーに携わりながら、詩と随筆集を5冊出版。
幼い日の、母の養老院において働く後ろ姿から感じたものが、現在の福祉現場での仕事と作品につながっている。訪問介護においても、一人ひとりの高齢者がたどってきた生きざまに寄り添う大切な仕事であることを、作品の中で書きつづける。
渋谷区基幹型在宅介護支援センター長、尼崎市園田北地域包括支援センター管理者、ジェイエイ兵庫六甲福祉会在宅事業部長を経て、現在はソーシャルサポート灯(あかり)合同会社代表。 NPO法人伊丹アドボカシーネットワーク理事、湊川短期大学・大阪保健福祉専門学校の講師も務める。尼崎市介護保険認定審査会委員、伊丹市障害支援区分認定審査会委員、兵庫県社会福祉士会権利擁護センターぱあとなあ運営委員。