法改正後、訪問介護サービス事業への逆風が強まっています。昨年12月には、これまで増加を続けてきた指定訪問介護事業所数が、前月に比べ初めて減少を見せました。
下記資料をご覧いただければ分かるように、指定訪問介護サービス事業所は、高齢者や訪問介護(給付)サービス受給者、(給付)費用の伸びを上回る勢いで増加しています。その結果として、一事業所あたりの高齢者数、受給者、費用は介護保険制度導入後の2、3年をピークに減少し続けています。このことからも、厳しい競争下にあったことがうかがえますが、幼年(揺籃)期から次のライフステージを迎え、淘汰が始まったと言えます。
これまでの訪問介護サービス事業の経営、成長の原動力は、当初からの追い風をうけたホームヘルプサービス需要の掘り起こしと、登録ヘルパーを活用したサービス供給量の拡大策に要約されます。しかし、すでに訪問介護サービスの純化・給付管理強化とヘルパーの枯渇によって、このスキームは限界に達してしまったのです。今後も厳しい環境が続くと予想される改正後の指定訪問介護サービス市場で、成長しつつ生き残るには、2つの条件は必須だと考えられます。
【指定訪問介護サービスで生き残る条件】
①特定事業所加算(体制)要件の確保=事業運営・品質管理能力の向上
②ヘルパーをはじめ、人材の安定確保と有資格人材の育成
これらを満たすためには、これまでの登録ヘルパー依存型の事業体制では限界があります。そのため、常勤型ヘルパーを基盤にした事業運営体制への転換が急がれます。