(1) 2歳児から高齢者まで、幅広く支援しています。
▲壁に貼られた沢山のメモ。
―こちらではどのような方の介護・支援を行っているんですか?
井野さん:私たちの事業所では障害児・者の身体介護、生活援助、外出支援などをメインに行っています。運営母体の「社会福祉法人ウイング」がもともと知的障害者の方のための施設を持っている関係もあると思いますが、業務的には知的障害の方々の行動支援などが多いですね。
―初歩的な質問ですが、「行動支援」というのは具体的にどういうものなのでしょうか?
井野さん:その名の通り「行動を支援する」ってことなんですが、簡単に言うと一緒に食事をしたり、福祉バスに乗って図書館に行ったりどこかに遊びに行ったりします。
でも、利用者さんの気分やお天気次第で内容や目的が変わることも少なくありません。それでも利用者さんが今という時間を楽しめるように、僕らが支援をするわけです。また、家族だけで外出するのが大変な際に、ヘルパーの手助けが必要だというケースもあります。
▲スタッフと打合せをする井野さん。
―こちらの事業所を利用される方の年齢層は?
井野さん:年齢幅は広いですよ。最年少は2歳の自閉症の子。数は少ないですが、介護保険を利用されている高齢者の方もいらっしゃいますしね。サービスを良く使われるのは小学生以上。学校が終わったあとや休日に、ここを利用されています。
―最年少は2歳、ですか。
井野さん:2歳くらいだと、ご家族がどうしても必要とするときだけの一時預かりがメインですけれどね。
―子どもって、遊ぶだけでもパワーを使いますよね。体力勝負って感じがしますが?
井野さん:確かに、相手はものすごく元気でパワフルですからね(笑)。当然、それに負けない体力は必要です。高齢者の介護も障害児・者の介護も、目的は同じだと思います。もちろん、どちらも同じように介護する側には様々な意味で体力が必要です。しかし、高齢者の介護・支援が「静」だとすると、障害児・者の介護・支援は「動」。これは大きな違いでしょうね。
―1日に何人くらいの方がサービスを利用されるんですか?
井野さん:日によって違うので、一概には言えません。老人介護の場合だと、毎週何曜日の何時から何時までって形になりますよね。だけど、ここではそうじゃない。単発で入ってくるケースも少なくないですし。外出支援の場合だと、今日と同じように利用者1人に対して1名のスタッフがほぼ丸1日つきっきりのこともあります。
―当たり前の質問かもしれませんが、高齢者介護と同じように、知的障害の方の場合もはやり24時間対応なんでしょうか?
井野さん:はい、一応はそうなっています。けれど、あまり多くはありません。身体障害の方の場合ならありえますが、知的障害者の場合には少ないんですよ。夜中にどうしても必要だということになれば、それは当然お受けしますが、そういうことは数えるくらいしかありません。けれど、土日は忙しいですよ。
▲外出支援の移動ルートを再確認する井野さん。
―土日はお休みじゃないんですか?
井野さん:土日は外出支援の希望が集中するんですよ。子ども達は平日学校がありますからね、長距離のお出かけは土日になります。そこで僕たちが必要とされるわけです。だから、土日の休みはスタッフどうし交代でとるようにして、基本は平日にお休みをいただくようにしています。