■地域の保育園児や学校・ボランティアなどの触れ合いを大切にしています。
▲広々とした大広間で食事をする利用者の皆さん。空間にはオルゴール調のメロディが静かに流れ、穏やかな雰囲気が漂っている。
―こちらにはたくさんの施設が揃っているようですね。
三澤さん:はい。私達の「ヘルパーステーションまほろば」は、医療法人敬仁会が運営する、病院・老人保健施設などの事業所の一つです。
私達がヘルパーとして直接訪問させていただいているのは、主にこの法人に隣接している社会福祉法人平成会の施設「有料老人ホームせせらぎ」・ケアハウス「なごみ塩尻」、ケアハウス「松本なごみ」になります。この辺りには、近年になって続々と高齢者向けの施設がたてられています。
―見学に来られる方もいらっしゃいますか?
三澤さん:ええ。施設が開設される前には、地元の皆さん、ご入居希望の方、関連業者さんを中心に内覧会等を通じ、施設を見学していただいています。
私達が訪問させていただいている「せせらぎ」も昨年の春にオープンしたばかりで、独自の特色を引き出していくために、スタッフ全員で取り組んでいらっしゃいます。見学は常時行っているようです。見学を希望される方は、信州の自然を楽しみながら、ぜひご見学いただければと思います。
▲機械浴ができるための福祉用具も充実している。
―こちらの施設の特長はどんなところにありますか?
三澤さん:まずは、ご利用者様が毎日の生活で最も楽しみにされているお食事ですね。毎日ご利用者様の身体状況や食事の形態に合わせ、味付けや調理方法を調整していますし、日々のメニューに、ご利用者様の希望を取り入れるなど、常に心配りを忘れていません。次に入浴です。この施設は、ご利用者様のニーズに合わせ、個々のお部屋にお風呂やシャワー室が備わっています。ご利用者様の気分転換や身体状況に応じた入浴ができるようにと、大きなお風呂(一般浴)や機械浴などの入浴設備も整っています。
そして、なんといっても、ご利用者様の大半が80歳以上と高齢のため、お隣に病院があるというのが、いちばんの安心なのではないでしょうか。もし急に体調を崩されることがあったとしても、病院が近いぶん、すぐに対応が可能ですし、月に二度程はドクターがご利用者様のお部屋に往診に伺います。お薬も処方していただけますし、お部屋の環境を見ながら診療していただけるため、日常の生活のアドバイスを含めたトータル的なケアができるのも特長の一つなんですよ。
▲施設の周りにはブドウ畑が。秋になると窓際には甘い果実の香りが漂ってくるのだそう。
―他にはどんなことをなさっているんですか?
三澤さん:ご利用者様は、毎日の生活をご自分のペースで自由に過ごされています。散歩に行かれる方、自分のお部屋に他のご利用者様を招待してお茶を飲みながら楽しそうにされている方もいます。 そして、自分のお部屋に閉じこもったままにならないようにと、ご利用者様の趣味に合わせた書道や手芸、地域のボランティアさんの舞踊・演奏会など施設としての取り組みもあります。 普段、私達ヘルパーが訪問する際、お部屋にお一人で淋しそうにしていらっしゃるご利用者様をお見かけすると心配になりますが、こうした施設の関わりにより、訪問の途中でご利用者様の元気でハツラツとした明るい笑顔を見ると、この元気な笑顔をずっと続けていただけるように支援させていただきたいと、私達自身も更なる意欲が湧いてきます。