■身体介護は、朝の5時から夜24時まで対応しています。
▲緊急で入った新規の利用者さんに即対応するため、各担当者が集合して行われている話し合い。
―まずは数あるサービスについて、お伺いしたいのですが。
安河内さん:私達の「埼玉ライフケアサービス」は、名前のとおり埼玉県内でのサービスを行っています。介護タクシーや福祉用具のレンタル、訪問入浴などを提供していて、訪問介護事業所がある朝霞・和光・新座あたりの東武線沿線が主なサービスを行っているエリアですね。訪問介護のサービスでも、私達ならではのサービス形態をとっています。
―どういった形のサービスなのですか?
安河内さん:食事作りや掃除などの生活介護を行う「滞在型」と、服薬や入浴介助、おむつ交換などの身体介護を行う「巡回型」のサービスです。滞在型の多くは日中の訪問で、登録のヘルパーさんに自転車移動でお願いしています。巡回型のほうは、朝の5時から夜中の24時まで長時間に渡るサービスを行っているので、車での移動が可能なヘルパーさんが行います。
―なぜ2つのサービスに分かれているのでしょう?
安河内さん:利用者さんがひと目でサービスを理解しやすいというのが一つの理由です。介護保険制度が複雑で理解するのが困難と感じる利用者さんもいらっしゃるので、少しでもサービスが分かりやすいようにと心がけています。もう一つの理由は、生活介護と身体介護の技術的な面を考えると、分かれていたほうがヘルパーさんも担当で入りやすくケアにも当たりやすいというのがあります。
▲巡回型のケアには車で移動する。
―具体的には、どのようなサービスを提供しているのですか?
安河内さん:滞在型の生活介護では利用者さんの生活に必要な食事や掃除、買い物など身近な日常生活面でのケアがあります。そのケアには、登録ヘルパーさんに多く見られるような主婦業の経験が重要になってきます。最も関わってくるのは食事管理で、どのくらいの柔らかさや具の大きさが食べやすいのか、体調によっての塩分調整も必要ですし、訪問するお宅によって味付けの仕方も全然違いますから、各ご家庭や利用者さんに合ったお食事を作らなくてはなりません。合わせるという意味では、お掃除も同様です。それぞれのお宅で掃除道具や家の広さ・作りが違いますから、無理をすると逆に腰を痛めやすいんです。ですから、訪問宅とヘルパーさんの組み合わせを考えるのも大事です。
▲事業所を訪ねてきた登録のヘルパーさんにも、忙しさの合間を見ながら丁寧に対応する安河内さん。
一方、巡回型の身体介護では、おむつ交換だけを見ても、非常に神経を使います。巡回型は介護度の重たい利用者さんが多いので、それぞれの体調に合わせての対応が必要になってくるんです。たとえば骨が硬直してしまうと、触られるだけでも痛いですから、利用者さんに痛みを感じさせず、おむつを交換することに気を配る必要があるんですね。
またケア時間が30分しかないので、限られた時間を上手に活用して作業をこなし、いかに細かいところまで確認できるかにかかってきます。これは介護ケアを積み重ねて、体で覚えるものですので、本格的に介護経験を積もうと考えるヘルパーさんには勉強会などを通して意欲的に学んでいただきたいですね。