夫婦で力を合わせて満足できるサービスを!
もっと色々してあげたかった……その想いが事業立ち上げのきっかけです
自宅横の一室に存在するうらら。窓越しに物を渡せるぐらい近い!
―和田さんがサービス提供責任者として働く、
ヘルパーセンターうららは2009年の11月に設立されたばかりなんですよね?
そうなんです。私の主人が管理者兼代表となり立ち上げたのが昨年。訪問介護の事業がスタートして約半年なので、従業員やご利用者さまが少しずつ増えている段階です。
―WEBサイトを拝見したところ、ご主人のお母様が亡くなられたのが事業所立ち上げのきっかけとのことでしたが?
それも大きな一因です。義母は要介護4でしたが、意識もしっかりしていて、車イスを利用しながら一人で器用に家の中を動き回っていました。そのため、私自身は長い介護を想像していたのですが、脳梗塞で突然この世を去ってしまったんです。「あれが食べたい!」と言われても健康面を考えて栄養のある食事を作ったりしましたが、『食べたいものを食べさせてあげればよかった』とか、色々後から想うこともあって・・・・・・。まだまだしてあげられることがいっぱいあったのになぁ、と煮え切らない気持ちを抱えていました。そんな折、同じように感じていた主人が『母に対してやりつくせなかった想いを仕事にたくしてみようか』と言い出したんです。
― その提案をすんなり受け入れて、立ち上げになったと?
それだけで決断したわけではないですよ。その話を聞いた頃、私自身はヘルパーの仕事を通して、『訪問介護は難しい』という焦燥感みたいなものが心にあふれていた時期でもあったんです。介護の場面を経験し、ご利用者さまやスタッフなど様々な方に出会い、勉強不足と努力不足を痛感しながらも、それを向上心に切り替えるしかない時でした。同時に、高齢社会に伴う介護の重要性を身に染みて実感していたこともあり、いっそのこと、甘えられない状況で頑張ろうか、と。
うららの代表、和田さんのご主人。初回訪問以外にも訪問先へ
しばしば顔を出すそう。
― それぞれの想いがタイミングよく重なったんですね。新しいことへの挑戦に不安はありませんでしたか?
役割分担がきちんとできているので、いまは大丈夫です。経営などの金銭面や書類手続きはすべて主人が担当しているので、私はサービスの提供に集中するだけです。それまで働き続けてきたヘルパーとしての経験をそのまま継続してフル稼働しながら、ご利用者さまに気持ちのいい介護を受けてもらう、という点では今まで働いてきたことと何ら変わりないですから。
もちろん、サービス提供責任者として、新人やスタッフの育成、介護の重要性を多くの人に知ってもらう、という新たな課題も出てきましたので、現場の状況をしっかり把握しつつ積極的に取り組んでいきたいです。
―ご主人との息もぴったりだな、と実際にお会いして感じました。夫婦二人三脚だからこその信頼感はまたひと味違いますね。
ありがとうございます(笑)初回訪問は、基本的に主人も管理者として同行します。ビジネス経験のある男性がバックにいる、というだけで雰囲気がピシッと引き締まりますし、いい意味での緊張感が生まれるんです。例えば、ご利用者さまが「どうしてもお願い・・・」と出来ない範囲の内容を頼まれることがあります。私たちだけだとご利用者さまのなかで腹のおさめどころがない場合も「代表に聞いてみますからちょっと待ってくださいね」と言うと、きちんと納得してくれることもあるんですよ。
―ご主人がいいスポンジ役になっているというわけですね。
そうですね。きちんとご利用者さまの気持ち、ヘルパーの気持ちと双方の想いと立場を上手に吸収してくれていると思います。また、同じ情報を共有することでお互いの大変な部分も十分理解できるので、主人が率先して家事や料理をしてくれるようになりました。料理の腕前があがるにつれ、ご利用者さまとの間でも『茶碗蒸しをつくってもらったんです』なんて話題になったり。いつも新鮮な話題を提供してくれています(笑)。