『あいめいと』とは
ご利用者さんに向かってまっすぐな手を差し伸べる・・・これが原点
駐車場も広く、玄関前にはお年寄りにも優しい、ゆるやかなスロープが。
―『あいめいと』のデイサービスは、今年新設されたばかり・・・と、伺いました。門田さんは他の事業所で働いていたのを辞めて、ここの立ち上げに関わられたんですよね?
はい。社長の熱い思いに突き動かされました。この人が誘ってくれるなら「やってみよう!」って。もちろん、今まで信頼してくださっていたご利用者さんと離れるのはものすごく辛かったんですが・・・。
『あいめいと』の周りにはビニールハウスが立ち並び、のんびりした雰囲気が漂う。
―門田さんが決意するきっかけになった社長の思いとはどういうものだったんですか?
社長とは、たまたま非常勤を勤めた高齢者アパートで知り合いました。シフトの重なる日が何度かあり、徐々にお互いの職場で感じる介護について話すようになったんです。彼女は、訪問介護ステーション『あいめいと』の責任者として、またヘルパーとして、訪問で出来る介護に限界を感じているようでした。『ご利用者さんにしてあげたいことを、すべて訪問でするにはやはり無理がある、その分デイサービスのフォローが必要なのだ・・・』と。一方、私はその当時60人定員のデイサービスで働いていて、スタッフが圧倒的に不足するなか、ご利用者さんに対するケアが満足に出来ない…というもどかしさを抱えていました。『もっとその人にあった個別対応をしてあげられたら・・・』そう思っていたんです。お互いが思い描く理想の介護が一致した瞬間でもありました。
事業所前には色とりどりの花が植えられ、訪れた人を歓迎してくれる。
―なるほど。それはやはり、それぞれの介護現場を体験した人にしか分からないもどかしさですよね。でも今は、その理想の介護が実現できているんですよね?
そうなんです! この間久しぶりに会ったケアマネさんに「門田さんらしい顔つきになってる。今やっと辿り着いたんじゃない?」って言われてハッとしました。きっと昔の私はいくらご利用者さんの前で笑顔でいても「私がしたいのはこんな介護じゃない・・・」って顔に出ていたんでしょうね(苦笑)。今はヘルパーが訪問で出来なかったことをデイスタッフにきちんと伝えてくれるので、「じゃあこっちでフォローしとくね」って言えます。ちょっとした報告連絡で、ご利用者さんのことをしっかりケアできるのが何より嬉しいです。
ピーマンやネギ…といったちょっとした家庭菜園スペースも。
―きちんと連携がとれているんですね。逆に言うと、ヘルパーさんが報告しやすい環境でもあるということで・・・。介護する側も心地いいスタンスで働ける職場ってステキです。
事業所によっては「これぐらいのこと別に言わなくてもいいか・・・」って思わせてしまうような雰囲気のところもあります。でも『あいめいと』の場合は、デイスタッフがきちんとフォローすると信頼してもらっているので、ヘルパーはちょっとしたことでも報告してくれます。例えば「今日●●さん、洗濯をたたむことが出来なかったので練習させてあげてください」とか。それを受けて、私たちがご利用者さんと一緒に練習をするんです。そして、そのヘルパーさんがご利用者さん宅に訪問した際、たたむことが出来ていると「●●さん、出来るようになっていましたよ~!」って喜びの報告が入る。私たちも「本当に良かったね」って。双方が感じるその達成感こそが、働くモチベーションでもあり、何よりご利用者さんを次のステージへ導く向上心にもつながりますよね。
スタッフたちと笑顔で話しを交わす門田さん。
―お互いの持ち味を生かしつつ、足りないところは補い合う。とてもいい関係性が築けているのだと感じました。そうした『あいめいと』が求める方向性が名刺のロゴにも刻まれているんですよね?
そうなんです。名刺に描かれた「i」は「人」という漢字をもじっているんですよ。人と人とのコミュニケーションを大事にして、ご利用者さんにとって本当に必要なケアを届けたい…そんな思いが込められています。
「人」をモチーフにした『あいめいと』のロゴマークが名刺に描かれている。
―ロゴの下には、「やさしい手 明るい心を届けたい!」と書かれてありましたが…。
名刺を渡されたとき、この言葉が目に飛び込んできて、「あぁ、社長の思いはやっぱりここにあるんだな・・・」って心が温かくなりました。それにオレンジって、太陽やひまわりを連想させませんか? 元気でパット周りを明るくするイメージ。だから私はこう解釈しているんです。太陽であるご利用者さんに向かってまっすぐな手を差し伸べて、元気になってもらう、これこそ私たち『あいめいと』の原点なんじゃないかな・・・って。だからこの名刺に色々な思いが詰まっている気がしますね。