サービス提供責任者として自分にできること。
スタッフ、ご利用者さん1人1人と真摯に向きあっていきたい。
介護関連の会報誌が並び、手に取って読むことができる。
―田中さんの今のお仕事内容を教えてください。
今は現場5割、内勤業務5割で、ヘルパーとして訪問ケア以外に、シフトなどの書類作成、ケアマネ―ジャーにご利用者さんの状況を報告する営業活動、モニタリングにマニュアル作成などをしています。今後どうしても現場の割合が減るとは思うのですが、現場を知らないとその人に合ったサービスを提供するためのいい書類は作れないので、現場業務ははずせませんね。
質素なキッチンにドライフラワーが。彩りを添える心遣いが見えます。
―事業所全般に関わる幅広い業務をされているんですね。その分、田中さんにかかる負荷も大きいと思いますが…。
他の会社に比べて業務量は確かに多いと思います。でもこの会社の理念「私の受けたいケア」というところを考えると、自分もこれだけしてもらえたら嬉しい、というところまでやらないとダメだと思うんです。辛いのは自分だけじゃないし、ある意味成長できる場でもあるわけで。逃げ出すことはいつでもできるから、むしろ出来るところまでやってみよう! って前向きに捉えるようにしています。実際出来た時には大きな自信にもなりますし、「次はこうしてみようかな」って新たなパワーにもつながります。
質素なキッチンにドライフラワーが。彩りを添える心遣いが見えます。
―「なんとなく」この仕事をはじめて戸惑いだらけだった過去の田中さんからは想像もできないほど、仕事に対する情熱を伺えてなんだか嬉しいです。では、営業とモニタリングの仕事内容についてもう少し詳しく教えてもらえますか?
各ケアマネージャーを訪問してご利用者さんの状況を伺いつつ、逆に私たちヘルパー側が気づいたご利用者さんの近況を報告するのが営業です。そこで、お互いの認識に相違があれば話し合い、よりご利用者さんが求めるケアに近づけられるよう努力しています。密にコミュニケーションをとることで、何かあった時の連携もスムーズになりますから。また、モニタリングでは、普段ケアに入っているスタッフには言えないご利用者さんの悩みをお伺いする機会を設けています。
事務の方とのコミュニケーションもばっちり。会話にも笑顔が絶えません。
―ヘルパーには言えないことってなんですか?
言えないというと語弊があるんですが、普段ケアに入るスタッフには「忙しそうで何となく言いそびれてしまう」「話に夢中で言い忘れた」なんておっしゃるご利用者さんもいらっしゃいます。そこで月に1、2度状況確認あわせ、何か困っていることはないかを伺いに訪問するんです。ご利用者さんも私たちの方が『仕事で来ている』印象が強くなるため、逆に話しやすいようですよ。「洗う体の個所を増やしてほしい」など挙がってきた要望は、スタッフにしっかり伝え、ケアに反映してもらうようお願いしています。
各担当の必要書類はこのBOXへ。きちんと管理されています。
―ということは、スタッフの方たちとのコミュニケーションも円滑なんですね。
はい。皆さん、報告も本当に細かくしてくださいます。こちら側の提案にも快く「次はそのようにしてみます」と言ってくださることも多いですし。だからこそ、スタッフから「こういうのってどうにかならないですかね?」って頼られた時は、例え役所から無理と断られるであろう内容でも、きちんと確認し答えをもらう作業を怠らないようにしています。
―スタッフといい関係性を築くことがご利用者さんにより良いサービスを提供することにもつながりますものね。
そうですね。だからこそ、スタッフが気持ちよく働いてもらうための努力はこれからもしていきます。事業所の規模が大きくなればなるほど、そうしたことって難しくなるんですが、僕はキレイごとと言われても、スタッフ1人1人、ご利用者さん1人1人を大切にしていきたいという気持ちを変わらず持ち続けていたいですね。