ご利用者さんから教わった人生の教訓
やりたいことがあるなら、今精一杯やりなさい!
介護業界で働きはじめてから愛用しているカバン。ボロボロだけれどここまでくれば縁起物。
―現場で働き続けてきた17年間で、様々なご利用者さんとの出会いがあったかと思いますが、代田さんにとって印象に残っている方はいらっしゃいますか?
色々な方がいましたが、何より一番印象に残っているのは「あなたの前にいる人達は、人生かけて物事を教えてくれている。それを学ばない手はないでしょ」とおっしゃった元議員の方でしょうか。糖尿病で片足切断ギリギリだったんですが、「自分は足を治療したいと思っても出歩くこともままならない・・・。でも君はどこへだって行ける。やりたいと思ったときに何でも出来るじゃないか!」ってそう言われたんです。ハッと目が覚めた気がしましたね。確かに自分は歩けないわけでも、寝たきりなわけでもない。やりたいことを今行動に移せる体があるんだって。それからはとりあえずやってみよう、って自分のなかからマイナス思考がなくなったような気がします。
ベッドに寝ているご利用者さんの体位変換や移動がスムーズにおこなえる便利グッズ。
―先ほど「ご利用者さんから教わったことでもある」と言ったのはこのことだったんですね。
はい。ヘルパーは色々な人生を歩んできた大先輩の最終的な姿と対面する仕事でもあります。「取り返しのつかない歳になって、あの時ああしておけば良かった・・・って後悔しても遅いんだから、今のうちに精一杯やりなさい!」そう声をかけてくださったご利用者さんが他にも何人かいらっしゃいました。私達の今の姿を見て、学んで、あなたはいい人生を送りなさいって。こういうご利用者さんが私の周りにはいっぱいいてくれたからこそ、今の自分があるのだと実感しています。
「これがあるのとないのとでは全然違うんです!」と実際に使い方を実演。訪問時のマストアイテム。
―こういうお話を伺うと、ヘルパーのお仕事って、ご利用者さんの不自由な部分を援助するという意味で与える側のイメージが強いですが、逆にご利用者さんから与えられるものも大きいんですね。
ギブ&テイク! 私はご利用者さんにとっても、そう思ってもらえるような存在でありたいです。