憧れの場所、『光道園』
ほんわか、あったかい場所。
訪問から戻ったら報告・確認。笑顔が絶えない職場です。
―光道園に勤められて33年。高校生だった前田さんにとって、光道園は“憧れの場所”だったと伺いました。
そうなんです。高校3年の時、学校で集めた募金を持っていく機会があり、そこで初めて光道園を訪れました。園内を見学する私たちに職員の方やご利用者さん誰もが笑顔で「こんにちは!」って明るく声をかけてくださるんです。あったかい雰囲気とあまりの居心地の良さに心奪われてしまい『私絶対ここで働きたい!』って思うようになりました。資格も持っていないし、どうしたら光道園で働けるんだろう?って、そのことばかり考えるようになりました。
壁には前田さんが「毎回作成するのが苦手で…」とおっしゃるシフト表。
―そこから実際、どのような経緯で光道園に就職することができたんですか?
当時参加していたボランティアサークルに光道園の職員さんがいらっしゃったんです。その方に「どうしたら入れますか?」って聞いたら「実習期間と実習態度で決まる。期間は長ければ長いほど得だし、一生懸命やれば大丈夫よ」と教えていただいて。それなら1日でも長い方がいいと夏休みの間、ほぼ毎日、光道園に通ったんです。そして面接と試験を受け、無事合格通知をいただいた時は嬉しくて母親と一緒に泣きました!
福井県産のさつまいも。キレイに洗われて調理されるのを待っています。
―前田さんがそこまで惚れ込み、入りたいと願った光道園の魅力ってどんなところなのでしょう?
「光道園にいると、ほっとするんです」と専門学校の先生に言われたことがあります。学生研修で様々な施設を回っていらっしゃる方で「他の施設だと『ここがダメ、あそこがダメ。先生はどういう指導をされているんですか?』って言われるんですよ。でも、光道園の職員さんは学生を誉めてくださる。自分でも気づかなかった学生の良い部分を引き出してくれるんだ」と。こういうことこそ、光道園の良さなのかもしれないですね。あったかくて安心できる…そんな雰囲気が自然と光道園には流れているんだと思います。
廊下には、ご利用者さんが作ったちぎり絵や折り紙が飾られています。
―最初に光道園に訪れた時に感じた居心地のよさが今も変わらずにあると?
そうですね。こうした想いはずっと受け継がれてきた光道園精神でもあります。決して手とり足とり教わったわけではなく、あんな風にご利用者さんと接する先輩ってステキ、と真似したくなるような先輩方を見て育ってきた感じでしょうか。以前、「早く好きな先輩をみつけて、自分が迷ったらその人を見なさい」と先輩に声をかけていただいたことがあります。それは言い換えれば、まずは自分で考えなさい、ということだと思うんですけれど、余計な口出ししなくてもちゃんと誰かが見ててくれている安心感がありますね。
作業療法士さんなどがご利用者さんと一緒にリハビリするルーム。
訪問時に使う車は、虹のマークが目印!遠くからも目立ちます。
―今度はその精神を次に繋げていかなければいけませんね。
はい。つい先日のエピソードなのですが、以前配属されていた養護老人ホームで担当していたご利用者Sさんがお亡くなりになられ、その場に駆けつけたんです。その際、Sさんを一緒にケアしていた後輩が「前田さんのSさんに対する接し方が私のお手本だった。前田さんが異動されてからも同じように接してきたから、Sさんに対して私は後悔がないの。ありがとう」と声をかけてきてくれたんです。彼女の言葉がとても有り難く、心に沁みました。これぞまさしく、私が先輩から教わってきたことであり、後輩に受け継いでいきたいことです。それが実際に、後輩にも伝わっていたことを実感して本当に嬉しかったです。