高校卒業後は介護への道、一直線!
実習先で体感したのは、徹底したご利用者さん本位のケア。
インタビューにて。長谷川さんと同じくサ責であり、上司でもある所長の重永さん。
―「これからは福祉の時代」とご友人が話されていたことが介護業界に興味をもつ最初のきっかけだったと伺いました。
そうなんです。高校の同級生がそう話しているのを聞いて、何となく「いいな」と惹かれまして。それまで、将来の進路についてちゃんと考えていなかったのですが、それをきっかけに大学受験は全部福祉系に絞って受けました。
―そのお友達の一言が長谷川さんの心に強烈に響いたわけですね。
あまり深く考えてのことではないですが、福祉と聞いて「人助け」といった良いイメージがあったのと、母親が看護師の仕事をしていたので、遠からず近からず…わりとすんなり受け入れられたのだと思います。
ヘルパーステーション前に描かれた壁アート。ハートが目印!
―なるほど。その後、大学受験して大学へ?
実は受験に失敗して1年浪人しているんです。その間、介護福祉士を養成する専門学校を見学する機会があって、雰囲気も良く、より実践的な知識が身につけられそうだなと思い、大学ではなく専門学校へ行くことを決めました。
元々は病院だった建物に岡谷会在宅総合センターが設置された。
―で、翌年専門学校へ入られたんですよね。学校生活で、何か印象に残っていることは?
やはり『実習』です。全3回あったのですが、1回目は淡々と終わりました。ところが2回目に配属された先が、指導が厳しいと評判の老健(介護老人保健施設)で。それはもう生徒を生徒と思わない扱いのスパルタ具合に、学生皆が敬遠するほどでね。実際今まで、のほほんとしていた自分に喝が入るほどのしごかれ具合に毎日大変でした。指示待ちはダメ、自分から積極的にやることを見つけて、断られても「やらせてください!」と食らいついていくぐらいの気合いが必要なんです。でも一方で、驚くほどご利用者さん本位のケアをしていることに気付き、感動もしました!
ヘルパー勤怠表は一目で分かるようにボードで一覧化。
―どういった部分がご利用者さん本位だったのですか?
実習で施設に行くと、少なからず学生はお客様みたいな扱いを受けます。例えば、学生が介助する時にご利用者さんが拒否すると「せっかく実習に来てくれているんだから、ちゃんとしてね」というような空気があったり。それってつまりは、職員が言うことや施設のルールにご利用者さんが合わせていることになるんです。でもその施設では、ご利用者さんそれぞれに合った個別的ケアを実践していました。その方に喜んでもらうためには…といった職員同士の討論も日常茶飯事でありましたし。その徹底ぶりは本当にすごかったです。
ケアマネさんからの報告連絡などの電話対応もサ責の大事なお仕事の1つ。
―それは施設という枠にはまることなく、スタッフが皆、ご利用者さんの望むケアを提供していたということですよね?
そうです。「この人はこういう人だから…」とご利用者さん1人1人をすごくよく理解しているから、自ずとケアも画一的ではなかったですね。何よりご利用者さんから目を片時も離さないのがすごいなぁって。話をしていても、他のご利用者さんに何かあれば「どうしました?」とすぐ駆けつける。そんな日々のケアを実践する現場を見て、刺激を受けましたし、働くならこういところがいいなと思うようになり、3回目の実習では自分から志願してその施設に行かせてもらいました。
―それは本気の行動ですね。長谷川さんが介護という仕事に目覚めた瞬間でもあったり?
そうですね。そこでスイッチが入った感はありました。周りからは「よく行くなぁ」って言われましたけれど、自分にはその厳しさが必要だと思いました。そして実習では猛烈アピールをして、最終日に無事就職の内定をいただいた時は、本当に嬉しかったです。働きはじめてからも怒られ、叱られの日々ではありましたが、そこにいた7年間、色々なことをやらせてもらいました。