二年目を迎えた介護サービス情報の公表制度。神奈川県の指定情報公表センター「かながわ福祉サービス振興会」では、初年度の事業所からの苦情を分析し、専用サイト上で、情報を記入できるようにしたり、調査日の指定ができるようにして運用面で改善を図った。手数料が事業者負担で割高、しかも利用者の役に立っているかどうか分からないと事業所サイドから大ブーイングの同制度。「天下り先の確保」の批判をはね返すには、運営側の工夫も問われそうだ。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
介護・福祉関連ニュース
6兆円の税源移譲要望 全国知事会 --- 介護事業者規制強化も
全国知事会(会長=麻生渡福岡県知事)は十二日、熊本市で開催された全国知事会議で二〇〇八年度の国の施策や予算への提案・要望をまとめた。国と地方の税源配分を五対五にするために、偏在性の少ない消費税などによる六兆円規模の税源移譲を求める方針を決めた。介護保険に関しては、介護予防プラン作成の報酬引き上げなどの支援策を講じることや、事業者の事後規制でさらなる法整備を求めている。
知事会は今年度からの取り組みを「第二期地方分権改革」と位置づけ、まず現在六対四の国税と地方税の税源配分を五対五にするため、六兆円の税源移譲を求めることを掲げた。さらに、二重行政を解消するため、現在国の地方支分部局が行っている事務のうち地方でできるものを受け入れたり、不要な事務については廃止する。例えば、厚生労働省の地方厚生局で行っている医療機関の指定・監督や地方自治体への補助金執行事務などは地方で一本化でき、支分局は廃止可能としている。また、政府と地方の代表者が協議を行う「地方行財政会議(仮)」の設置を挙げた。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
介護報酬の地域差是正訴え 東京都や特養施設長に危機感 --- 大都市のコスト反映を
二度の介護報酬マイナス改定で、厳しい経営を余儀なくされている介護事業者。加えて東京では、都や区部の施設が、地方に比べ人件費や物件費の高い実情が反映されない「全国一律」の報酬設定で二重に苦しめられているとして、東京都と地方の報酬の不均衡を見直すよう求めている。グループホームや地域密着型サービス拠点などの整備の遅れ、深刻な介護人材不足が起こっており、「このままでは東京で介護サービスを提供できなくなる」と強い危機感を表明している。
今年五月、東京都は介護報酬に大都市部のコストを適正に反映するよう訴える提言書を厚生労働省に提出した。
特に問題としているのは、地域加算のあり方だ。
現行の介護報酬の基準単価は一〇円。人件費の地域差については、介護保険制度創設時の国家公務員給与の調整手当の支給率一二%に、人件費率(事業収支に占める人件費の割合)四〇%をかけて算出した単位を上乗せして設定している。東京二三区の場合は一〇・四八円だが、提言書はこの人件費の地域差の調整係数が地域格差の実態をまったく反映していないと指摘している。調整係数算定の元となっている「人件費率四〇%」は、厚生省が介護保険施行前に行った全国調査に基づく数字で、過去七年間見直しは行われていない。都が二〇〇三年度に行った調査によると、都内の民間特養の人件費率は七〇・六%。職員賃金の相場も全国平均を二〇%以上も上回っており、消費者物価指数も地価もずば抜けて高い。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
効果的な介護予防ケアマネジメント 実践例で報告まとめ --- 三菱総研
三菱総合研究所はこのほど、地域包括支援センターで実践されている効果的な介護予防ケアマネジメントについて分析し、その手法や要点などを取りまとめた研究報告書を作成した。包括センターではこれまで予防や介護分野に携わった経験のない保健師も少なくないため、改めて予防マネジメントの理念や効果的な手法を体系化することで、現場での実践に役立ててもらいたいとしている。
研究事業は厚生労働省の補助事業として、東北大学大学院辻一郎教授を委員長とする研究グループが実施した。
報告書は、①介護予防ケアマネジメントの要点、②実践事例集、③介護予防支援業務に係る重点化・効率化、の三本柱で構成されている。まず、①の「要点」では、介護予防が心身機能の維持・改善を目指すものではなく、自立した日常生活を営めるように本人の意欲を高めていくことが重要だとする基本理念を始め、それを実践していく上で重要な留意点として、住み慣れた地域資源を活用すること、できない原因を分析して「できること」に変えていくアセスメント、段階を踏んだ目標設定、次の目標につながる評価などを「一○の要点」として整理。それぞれの要点について実際に地域包括支援センターから収集した事例を挙げて解説している。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
コムスンヘルパー「再生のチャンスを --- 会社存続求め嘆願書
虚偽の申請で指定を受けたことなどで、処分を受け介護事業からの撤退を余儀なくされているコムスンの事業所で働くヘルパーが二十四日、厚生労働大臣宛にコムスンの存続を求める嘆願書を提出した。「重度の障害を持った利用者に対しても二四時間のケア体制で安心を提供してきた」「まじめに働いてきたスタッフは、移動中に罵声を浴びせられるなどつらい思いに耐えながら仕事を続けているが、コムスンの一員として働き続けたいと願っている」。同社登録ヘルパーの斉藤明美さんは、現在経営サイドだけで事業譲渡などの話が進んでいることに対し、「コムスンの実績を評価して、コムスンの従業員としてこれまで通りのサービスを続けられるようにしてほしいと考えている人が少なくないことをアピールしたかった」と言う。同省では事前に嘆願書は受け取れないと断ったが、伊藤さんら五人のヘルパーは制服を着て、全国のスタッフと利用者・家族三○○○人分の署名を同省老健局振興課に持ち込んだ(写真)。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
介護事業適正運営で有識者会議 規制強化を検討 --- 厚労省 法改正も視野に
厚生労働省は十九日、「介護事業運営の適正化に関する有識者会議」を発足させた。コムスンの処分を巡っては、事業所を廃止してしまえば処分ができないことや、本社に対しては監査ができないなど法律の不備も指摘されている。有識者会議では、広域的に事業展開をするコムスンのような事業者に対する規制の在り方を再検討するほか、現行の規制の妥当性、事業が廃止された場合の利用者保護の仕組みなどを多角的に検討するとしている。秋までに報告をまとめ、必要な場合は法改正も行う予定だ。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
評価方法の検討へ 消防庁 --- GHなどの消防設備
総務省消防庁は、二○○九年度から、認知症グループホームなど一定基準以上の小規模施設についてもスプリンクラーや自動火災報知機などの設置を義務付ける改正消防法施行令が始まるのを受け、今月から「小規模福祉施設に対応した消防設備等に関する検討会」を発足させた。
昨年一月に発生した長崎県の認知症グループホーム火災死亡事故をきっかけに今年六月十三日に改正された消防法施行令及び施行規則では、自力で避難することが困難な高齢者や障害者が入所している福祉施設について、延べ面積二七五平方m以上でスプリンクラーを、面積に関わらず全施設に自動火災報知機の設置などを義務付けることになった。二○○九年度から施行。既存施設については二○一一年度末まで経過措置がある。
検討会では、対象となる小規模福祉施設が新たに消防用設備を設置する際、建物の規模や構造、利用形態などに合った機器を選択しやすいようにするため、機器の構成や性能の評価方法などについて検討を行う。消防庁予防課によると、既存の住宅用スプリンクラーヘッドは性能や規格等についての評価基準は現在のところないという。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
ケアの本質は利用者本位 小規模多機能ホーム全国大会開催 --- マネジメントにも課題
宅老所やグループホームなどの実践者と、昨年度創設された小規模多機能型居宅介護事業所が集まり、在宅生活を支えるための「小規模多機能ケア」について考える全国大会が十六日から二日間、北海道旭川市で開催された(写真)。宅老所をモデルに新たなサービスとして創設された小規模多機能型居宅介護について、利用者確保や定額制の報酬内でのケアマネジメントなど、制度の中で柔軟なサービス提供を実現していくことの難しさが課題に上った。
今大会は、宅老所をモデルに昨年度、介護保険で小規模多機能型居宅介護が創設された以降の事業者の状況などを検証するのが大きな目的。既存の宅老所を始め、制度化を機に指定事業所に移行した事業者、新規参入を目指す事業者など四○○人を超える参加が集まった。関心は高い。
二日目に行われたシンポジウムでは、熊本市で介護保険制度前から宅老所を運営し、先月発足した小規模多機能居宅介護の指定事業者団体の理事長に就任した川原秀夫氏が、指定事業所になったことによる経営面での厳しさを報告した。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
MSW全国協会が発足 --- 行政などに要望活動へ
病院で患者や家族の退院支援や経済的問題などの相談に応じる医療ソーシャルワーカー(MSW)の国家資格化と独自の養成課程の確立を目指す「全国医療ソーシャルワーカー協会連絡協議会」が十四日、発足した。都道府県協会ごとの加入を条件としており、現時点では愛知、三重、岐阜、広島など六県約一三〇〇人が参加している。今後、厚生労働省などへの要望活動を行っていく方針だ。
MSWは、主に病院に配置され、入院患者や家族の経済的・心理的な問題、在宅生活への移行、転院・施設入所などの相談に応じる専門職。精神保健福祉領域で同様の業務を行う精神保健福祉士は国家資格として位置付けられているが、MSWは資格化されておらず、一般的に社会福祉士の有資格者が採用されているケースが多い。また、平均在院日数の短縮化や療養病床の再編を受けて職種の必要性は高まっているものの、病院での配置義務はなく診療報酬上の評価もないため、病院経営者に任意で雇用されている状況だ。
協議会は、MSWを国家資格化し、医療・福祉にまたがる専門性を培う独自カリキュラムを構築、専門職としての身分を確立することが目的だ。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
人材不足をどうするか --- 人材ビジネス界の提言 9 ニッソーネット
未経験者でも働きながら資格取得ができる体制に注力してきた人材派遣会社がニッソーネット(大阪市、山下謹吾社長)だ。同社は関西・関東地方で約二五〇カ所の病院、特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの介護施設と契約している。働きながら資格取得するスタッフの受け入れについては、すでに関西地方で契約している顧客の約八割が承諾済みだ。自社で教育研修事業を手がけることで、スタッフのニーズに応じたきめ細かな研修を提供できる。離職率低下にも効果を上げているという。
登録スタッフ数は約三〇〇〇人、うち約五〇〇人のヘルパー、介護福祉士、看護師、ケアマネジャーなどが同社のスタッフとして活躍中だ。人材確保策として力を入れてきたのが未経験者の取り込み。本当は資格を取りたいがそのための研修費用の負担は重いという人も大勢いるからだ。
このため、同社ではスタッフの資格取得を時間・金銭両面からサポートしている。
関西の三支社すべてに、ホームヘルパー二級、介護職員基礎研修(予定)などが受講できる「ほっと倶楽部」を併設する。大阪梅田、天王寺、神戸三ノ宮など、主要駅の駅前に立地しており、通学しやすい環境だ。
「ほっと倶楽部」は自社運営のため、派遣スタッフの勤務シフトとの調整もスムーズ。「学びたいが職場で受講を切り出しづらい」という事態をなくすため、派遣先にもあらかじめ、受講のための時間確保を要請している。 未経験者やブランクが長い人向けに、一日で介護技術のポイントを学習できる「ケアサポート研修」は週一回の頻度で開講され、思い立ったときにいつでも受講できる体制だ。
「介護の仕事に限界を感じても、基本に戻ってもう一度研修を受けることで退職を思いとどまるケースも多い」(榎本課長)
離職率低下にも一役買っているという。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
介護人材確保へ指針案 --- 人員配置増、福祉士の報酬評価など検討へ
厚生労働省は四日、福祉・介護サービスに従事する人材を将来にわたって安定的に確保していくため、国や地方自治体、事業経営者が取り組むべき措置を盛り込んだ「福祉人材確保指針」の案をまとめ、社会保障審議会福祉部会(部会長=岩田正美日本女子大学教授)に提示した。他産業と比較して低い賃金水準であることが介護職が定着しない最大の要因だとして、介護報酬の引き上げを明確化すべきとする意見が相次いでいたが、新指針案では「保険料負担の水準にも留意しながら適切な介護報酬を設定すること」と表現するにとどまった。一方、介護福祉士の資格取得者を報酬で評価する仕組みや、人員配置基準のあり方について検討していくとした。単なる″努力規定″にとどまらないよう、定期的に評価検証して対策を講じていくなど、実効性を上げることも新たに盛り込まれた点だ。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
情報の公表事務費補助廃止も含めた検討を --- 財務省
財務省は六日、介護サービス情報の公表制度について、厚生労働省の補助事業を廃止し、原則として事業者からの手数料でまかなうべきとする調査結果を公表した。国庫補助を受けている自治体は少数派の上、行政事務のコストが全国平均を上回っており、割高となっていると指摘。一層のコストの合理化・効率化によって事業者からの手数料だけで実施できるというのがその理由だ。一方、事業者から徴収する手数料については、手数料負担が重くならないようにすべきとしている。
財務省は〇二年度以降毎年、各省の事業予算が効率的・効果的に使われているかを点検する「予算執行調査」を行っている。
今度は厚生労働省の介護サービス情報の公表制度への国庫補助事業を含む四事業に対して、廃止を含めた見直しを求めている。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
介護保険の事後規制ルール「暴力団排除」規定を参考に --- 利用者も巻き添えに 運用方法改めて議論を
コムスンなどに適用された「連座制」の事後規制ルールについて、業界内では詳細は知らなかったという声が強い。法改正にあたって、公の場で議論されることはほとんどなく密室でルールがつくられたからだ。法律に欠格要件を設け、該当すると新規でも更新でも指定が受けられなくなったが、こうした手法は実は暴力団など特に悪質な事業者を強制排除するために用いられている。しかし、参考にされた産業廃棄物処理法では、欠格要件の適用に関する法解釈を巡り、各地で訴訟が起こる事態になっている。先例にどこまで学んだかも藪の中だ。悪事とは無縁の従業員だけでなく、介護サービスの場合は利用者も巻き添えになる。改めて議論が必要だ。
「聞いていなかった」 事業者には戸惑いも
法改正は〇五年の通常国会だったが、予防や地域密着型サービスの導入など大仕事に追われ、新しい事後規制ルールは忘れられた存在だった。今年度から更新期間に入るのを受け、厚生労働省は今年二月になってようやく解釈を示した。五年以内に指定取り消しを受けている場合など、指定の欠格要件に該当する場合は、同じ法人が行っている取り消しを受けたサービスと同一類型のサービスはすべて新規の指定が受けられない。取り消しを受けた法人で役員だった人がいる場合も、同様の扱いになる「連座」の仕組みが初めて詳しく説明された。
「それでもその時はこういうことにならないよう矜持を正す意味だと受け止めていました。それがこんな風に影響するなんて」
都内の特別養護老人ホームの施設長は話す。コムスンのケースでは、指定取り消しはできなかったものの、虚偽の申請で指定を受けていたことや、処分逃れが「不正又は著しく不当な行為」と判断され、同一類型だけでなくすべての類型のサービスで新規指定・更新が受けられなくなった。
これについて、七月六日付けの全国老人福祉施設協議会の会員向けニュースでは、「隠されていた一罰百戒のロジック」と表現した。つまり、この解釈について「聞いていなかった」ということだ。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
高次脳機能障害者支える専門デイケアセンターWITH --- 利用者が主体的に参加 きめ細かなプログラム
東京都世田谷区に今年三月に開設した「ケアセンターWITH(ウィズ)」は事故や病気などで脳に障害を負った高次脳機能障害者専用のデイだ。特有の障害を持った人のための受け皿として開設したが、利用者が主体的に参加できるように工夫したきめ細かなプログラムによる個別ケアは、多くの事業所にとっても参考になるだろう。
「脳が壊れちゃって、分かんないだよ」
男性はそう言ってもどかしそうに頭を抱えた。
「今日のお昼は何を食べましたか」とスタッフに問いかけられたAさん。その周りで、写真をじっと見つめながらノートに一所懸命書き込んでいる人もいる。体操をしたり歌ったり、などといったよくあるデイサービスの風景とはかなり違った雰囲気だ。
「思い出したり、考えていることを言葉で表現したりするのは、最も大事なリハビリの一つなんですよ」。説明してくれたのは、ウィズを運営する世田谷ボランティア協会福祉事業部長の和田敏子さんだ。
高次脳機能障害は、事故や脳出血などで脳機能が損傷し、記憶障害や注意障害が起こる障害だ。世田谷区にある定員一○人の小規模な事業所は、この障害を持った人だけを対象としたデイサービスとして、今年三月に介護保険の指定を受けた全国でも珍しい存在だ。
同協会では一九九六年から、中途障害者を対象とした身体障害者デイを区の委託を受けて実施してきた。、事故や脳梗塞などにより脳に障害を持った人が多く、利用者の七割が高次脳機能障害者。記憶障害や失語症、行動・感情障害など、人によって現れる症状は多様なだけに、ケアは一人ひとりに応じた個別対応を基本としてきたが、設立から一○年が経ち、利用者が六五歳以上となり障害者デイが利用できなくなってしまう人が増えた。「介護保険優先」の原則のためだ。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
専門相談員が全国組織福祉用具レンタル --- 会長に山下一平氏
介護保険の福祉用具レンタルで配置が義務付けられている福祉用具専門相談員の職能団体が発足した。新団体名は「全国福祉用具専門相談員協会」で十一日、東京都内で発起人総会・設立総会を開催し、会長に山下一平ヤマシタコーポレーション社長を選出した。将来的には上級資格となる主任福祉用具専門相談員の創設も目指す。初年度で会員三〇〇〇人体制を目標とする。
福祉用具にかかわる団体としてはメーカー、レンタル事業者の団体はあったが、相談員の団体はなかった。レンタル事業所には配置義務はあるものの、四〇時間の講習を受ければ資格をとることができ、ケアマネと比べても専門職としての地位は確立されていない。資格取得者でも専門的な知識や技術のレベルはバラバラだった。
団体の設立は質の底上げと、専門家集団として発言力をつけ、制度や報酬改定に意見を反映させていくのがねらいだ。
「福祉用具専門相談員は福祉用具の『お届け人』になってしまっている。良い福祉用具がその人にあった形で提供できるよう人材とセットになったレンタルのシステムを確立するためにも専門職のレベルアップ・底上げを集中して行う必要があると思う」と、設立総会で山下会長は挨拶した。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
地域ケア整備指針通知 --- 厚労省 療養病床転換関連も
厚生労働省は六月二十九日、地域ケア体制の整備に関する基本指針と、療養病床からの転換分を介護保険で受け入れる際の考え方を通知した。医療療養病床からの転換分については、来期の介護保険事業計画で全てを受け入れるとしている。 地域ケア整備指針は、医療機関の経営判断の材料とするため、療養病床を削減した後の受け皿となる地域の在宅医療、介護サービス、住まいの必要量などを提示することと、療養病床からの転換計画が二本柱。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
「適正化」で目標設定を 厚労省 --- 3年後に実施率100%、要介護認定など三本柱
厚生労働省は六月二十九日、介護給付費適正化担当者会議を開催し、都道府県に対し今年度中に策定を求めている「適正化計画」の指針案を示した。計画がスタートする来年度から三カ年を強化期間と位置付け、要介護認定、ケアマネジメント、サービス事業者の適正化を三本柱とし、二〇一〇年度は全ての保険者が実施することを目標として示した。 冒頭、御園慎一郎審議官は「コムスンの問題では批判もあるが、たった七年で制度が未熟な面もある。国民の理解を得るためには、何が適切な給付か考え続けることが重要」と挨拶した。厚生労働省では、二〇〇四年度から適正化推進運動を実施しておりほとんどの保険者で取り組まれているが、介護給付費の利用者への通知や医療情報との突合は五割を切るなど保険者による取り組みにバラつきがある。サービス事業者の指定権者である都道府県にも関与してもらい、目標を明確に、足並みを揃えて取り組んでもらうようにするのが「適正化計画」のねらいだ。今年度中に策定し、来年度からスタートする。初年度から三カ年を強化期間とし、三本柱については一〇〇%の実施率を目標とすることを示した。保険者の限られた職員の中で効果があげられるよう重点事業を都道府県ごとに設定する。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
人材育成~これからの人材育成 特養ホームで「授業」 --- 東京福祉専門学校、現場で働く魅力を知る
介護福祉士養成課程を持つ東京福祉専門学校(学校法人滋慶学園・東京都江戸川区)が今年度から、週に一回、教師と学生が特養ホームに出向いて″授業″を行うというユニークなカリキュラムをスタートさせた。お年寄りの体調や希望に合わせて散歩に行ったり話し相手になったり。学生本人が主体的にその日の授業内容を決めてお年寄りと過ごすことで、介護の仕事の魅力を実感してもらうのが大きなねらい。介護の現場と一体となった新しい人材育成のかたちだ。
「この間蒔いたきゅうりがもう芽を出しましたよ」
「本当だ。少し水をあげたほうがいいかしら」
「じゃあ、水を汲みに戻りましょうか。それとももう少し散歩してからにしますか」
車いすを押しながら、菜園の周りを女性と散歩する若い男性。ベランダのいすに並んで座って、慎重な手つきでお年寄りにお茶を飲ませている女性もいる。東京都江戸川区の特養ホームなぎさ和楽苑では、毎週月曜日になると、六○歳以上も年齢差のある「カップル」があちこちに出現する。
車いすの扱いもまだぎこちなく、お年寄りの言葉をなかなか聞き取れず何度も聞き返していたりする場面もあるが、雰囲気はとても和やか。入居者のお相手をしている若者は、東京福祉専門学校の介護福祉科で学んでいる学生たちだ。しかも、れっきとした″授業中″のひとコマなのである。指定科目の実習とは別に、介護の現場に出向いて介護技術やコミュニケーションを学ぶ「コラボレーション授業」で、今年度から同校が独自に導入した。
「実習は学生が介護の現場を肌で学ぶことができる重要なカリキュラムですが、教師も生徒もとにかく履修内容をこなすのに精一杯。職員さんたちは忙しいのに、自分たちは何をしていいのか分からないと悩む学生も少なくありません」
本来なら、卒業後の仕事内容をじかに体験できる実習は理論づくめの講義より学びが多く、むしろ楽しいはず。それがプレッシャーにしかなっていない現状を何とか変えたかったと話すのは、介護福祉科の教師・白井孝子さんだ。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
日韓で学び合う関係に --- 介護保険で「女性の会」国際会議で呼びかけ
高齢社会をよくする女性の会は六月三十日、都内で今後急速に進むと予測されるアジアの高齢化への対応策を女性の視点から話し合う国際会議を開催した(写真)。日韓の介護保険制度についての分科会では、韓国の国会議員が来年七月に施行される韓国版介護保険制度の現状報告をし、「日韓で協力してお互いの制度をより良いものにしていける関係をつくっていこう」と呼びかけた。
韓国では現在、日本を上回る速度で少子高齢化が進展している。社会で高齢者介護を支える制度の創設が急務となり二○○○年から制度化の検討が始まっていたが、ようやく今年四月の国会で韓国版の介護保険制度「老人長期療養保険」法案が成立し、来年七月に施行されることになった。
韓国国会議員のイ・ゲギョン氏は、「韓国の日本の制度を参考にした部分もある」とし、韓国の介護保険制度は六五歳以上と老人性疾患を持つ人の介護を社会で負担を分かち合って提供する仕組みなどの共通点を紹介した。一方で、制度開始時は日本の要介護3以上にあたる中重度の利用者のみを対象とし段階を踏んで軽度者へと拡大していくこと、利用者の自己負担が在宅が一五%、施設が二○%という負担率であること、僻地などの場合には介護サービスの基盤がないことから現金給付のシステムがとられること、健康保険料と合わせて保険料が徴収され、財源は保険料六割、税二割、利用者負担二割となること――などの違いを説明した。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
「都の処分に異議あり!」利用者家族が猛反発 --- くすのきの郷「取り消し」
「取り消し処分には納得できない」――。文京区立特養「くすのきの郷」が不正請求をしたとして、東京都が区に事業者指定の取り消し処分を出したのを受け、同施設の家族会は二十四日に集会を開き、区の担当者も交えて処分の是非について意見を交わした。利用者側が都への不服申請を求めると「異議申し立てをするつもりはない」と区が突っぱねる場面もあり、サービスの質を評価していた利用者側と、法に従うしかないと考える行政側の視点のズレが浮き彫りになった。
集会には、文京区の介護保険部長と高齢者福祉課長らも出席し、利用者の家族や遺族ら約一三〇人が参加。区から利用者への謝罪と今後の対応、民設民営施設への移行スケジュールが説明された。
社会福祉法人同胞互助会が指定管理者として運営する「くすのきの郷」と「くすのき高齢者在宅サービスセンター」は、十一月末でサービスが打ち切りになり、十二月一日から新しい社会福祉法人による民設民営の施設となる。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
療養病床に在宅機能を --- 日本療養病床協会 地域支援型創設を提案
日本療養病床協会の在宅支援に関する検討委員会(池端幸彦池端病院理事長)は二十二日、在宅療養支援診療所の二四時間体制をバックアップしたり、在宅や施設から急性増悪の利用者を受け入れる機能を果す療養病床を「地域支援型医療療養病床(仮称)」として診療報酬上に位置付け評価するよう求める意見書をまとめた。
在宅・施設療養と、急性期医療をつなぐ拠点という位置付け。現在は在宅療養する患者や施設の利用者が肺炎や手術不要の骨折を起こした場合、急性期病院に搬送されて入院するケースが多い。昨年度創設された在宅療養支援診療所も届出数は増えているものの、医師が一人しかいない診療所では二四時間体制が取れず、十分な在宅支援が行えていない状況にある。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
よくわかるQ&A コムスン問題 指定・更新の連座制 --- 通常は同一類型単位で事業所の管理者も処分
コムスン問題を巡っては、改正法の適用について編集部にも問い合わせが相次いだ。そこで、再度、解説する。Q子 そもそもコムスンってどうして、全部の事業所がサービスできなくなるの。
A男 一つの事業所が指定取り消しになると、同じ法人の事業所のすべてが道連れ、つまり「連座」して更新ができなくなる仕組みが、改正介護保険法で導入されたのは知らないのかい。ただ、コムスンの場合は特別厳しい処分だったけれどね。
もし、指定取り消しを受けた事業所で管理者だった場合は、五年間は別の事業所の管理者にはなれないよ。働いている人にも関係するから、よく知っておいたほうがいい。
Q子 「連座」ってまるで選挙違反ね。
A男 選挙違反で逮捕者が出たら、候補者の当選も無効になることを「連座制」というものね。親分が責任をとらされるだけじゃなくて、働いている人や利用者も責任をとらされることになるから、介護保険の場合は「大いなる連帯責任」といったほうが正確かもしれない。
最初から説明しよう。改正介護保険法では、事業所に対する規制のルールが強化された。指定できない理由(欠格事由)が追加になったのがその一つ。さらに、指定の有効期間を六年にして、更新が必要になった。指定取り消しの要件も追加されている。
さらに、取り消しまでに勧告、改善命令を位置付けて、有効に改善指導ができるようにした。区市町村は本来は地域密着型しか権限がないのだけれど、都道府県が指定するサービスにも立ち入り調査ができるようになった。
Q子 随分、厳しくなったのね。
A男 これまでがゆる過ぎた面もある。取り消し処分が決定するまでの間も、報酬請求を止める手段もなかった。指定を取り消されても、別の事業所を立ち上げれば、指定は受けられるから、悪どい人間にはやり放題だ。 だから、指定の欠格事由の中に、「五年以内に指定取り消しを受けていない」ことが追加された。会社を潰して、表面的に看板を替えて別会社で指定を受けることを防ぐために、取り消しを受けた法人の役員、管理者など「個人」も処罰の対象にして、五年間はその人がいると新規指定は受けられないし、有効期間が切れても新たに指定を受けることもできない。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
ケア改善へ相互理解進む --- 特養ホームみずべの苑 介護職との連携
東京都北区の特別養護老人ホーム「みずべの苑」(社会福祉法人うらら)は、介護施設の中では珍しく看護師も夜勤に入り、おむつ交換などの介護業務を行っている。一緒にケアを行うことで、介護職は基礎的な医療知識を看護職から学ぶことができ、呼吸の仕方などちょっとした状態の変化にも気づくことができるようになった。早期対応ができれば、日常の場面で看護師が一人で処置に追われるような状態にもならなくて済む。ターミナルも構えることなく取り組めるようになったという。
みずべの苑は二○○一年に開設。入居定員五○人、ショートステイ一○人の小規模な特養ホームだ。職員は介護職三一人と看護職が一一人。基準を大きく上回る看護職を配置しているが、フロアを見渡してもスタッフはみんな同じ制服で、誰が看護か介護か区別がつかない。
「うちの看護師は食事介助も入るしおむつ交換もします。白衣を着て、医師の指示を受けながら薬の管理や医療処置に専念しているのが看護の仕事、と思っている人には違和感を感じるかもしれませんね」
明るい笑顔でそう話すのは、施設長の川崎千鶴子さんだ。川崎さん自身、もともとは都内の医療法人で長年訪問看護に従事していた看護師だ。在宅の現場では二四時間体制で、常時医師がそばにいるわけでもなく、看護師が排泄介助や食事介助など直接日常生活支援に関わることも少なくない。それが要介護高齢者の普通の生活を支えるために当たり前のことだと肌で感じていた川崎さんは、特養開設に伴い副施設長として迎え入れられた際にも、看護師は医務室に閉じこもっているのではなく、入居者のそばで介護と一緒に生活を支える役割を担ってもらいたいと考えたという。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
「持ち上げない」で腰痛知らず
腰に負担のかからない介護技術を学ぶ「北欧式トランスファーテクニックと介護の労働環境セミナー」(ユーロ・ジャパン・コミュニケーション、サカイ・ヘルスケアー共催)が二十二日、東京都内で開かれた。持ち上げる代わりに、「水平に移動」「回転」を基本とし、利用者の力や、摩擦を利用する。発想の転換と工夫の積み重ねといえる実践的テクニック。「誰も教えてくれなかった」とデンマークのOTによる技術指導は、参加者にとっても目からウロコの体験だったようだ。日本にこの技術を紹介し続けているユーロ社の小島ブンゴード孝子代表は「働く人にやさしい環境づくりは、これからの日本には不可欠。施設の経営者にももっと関心をもってほしい」と話している。
小島代表が、北欧の移乗技術を紹介し始めたきっかけは、日本から研修に訪れた介護職に腰痛を持っている人が多かったことという。調べてみたところ、日本では愛用者の多い「腰痛予防ベルト」もデンマークではほとんど使われていなかった。
最も大きな違いは、労働環境に対する意識の違いだ。デンマークでは労働環境法で労働者の安全と健康を守る法律が厳格に運用されており、すべての企業に対し抜き打ちで職場判定も行われている。そのため無理のない姿勢で働くことができるようトランスファーテクニックの普及が図られている。北欧のセラピストが確立した実践的な移乗技術だ。来日したマリアンネ・グレーダーさんは、移乗技術の指導者の指導をするベテランだ。(以下略) --- シルバー新報のサイトを確認する
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