介護・福祉関連ニュース
車いすタイプの階段昇降機など5品目を給付対象に 介護保険で来年度から 「引き戸の新設」もOK
2008/10/27 厚生労働省の「介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会」(座長=山内繁早稲田大学人間科学学術院特任教授)は21日、布団からの起き上がり装置など5品目の福祉用具と、1項目の住宅改修を新たに介護保険の給付対象とすべきとする意見で合意した。来年度からの報酬改定に合わせ、具体化される見込みだ。 新たに追加すべきとされた製品は、レンタルでは、布団の下などに置いて使用する「起き上がり補助装置」、認知症高齢者がベッドから離れたことを知らせる「離床センサー」、車いすタイプの「階段昇降機」の3品目。入浴・排泄関連製品が対象となる購入品目では、便も吸引出来る「自動排泄処理装置」、「入浴介助用ベルト」の2品目。また、開口部を広くするために引き戸を新たに設置する工事も対象にする。 起き上がり補助装置は、通常の寝具の下に置き、モーターで背上げを行う。布団や一般のベッド、ハイ・ローだけの介護ベッドに組み込むことで、高価なスリーモーターの介護ベッド並みの自立支援の効果が得られるのが検討理由だ。(以下略)
有料ホーム「定員9人以下」5倍に
2008/10/27 厚労省調査 法改正受け急増 厚生労働省が16日に公表した2007年社会福祉施設等調査結果で、有料老人ホームの数は06年調査よりも35%増加して2671カ所に、定員・在所者数も20%以上増加していることが明らかになった。中でも伸びが著しいのが定員9人以下の小規模な有料老人ホームだ。06年度の老人福祉法改正で有料老人ホームの定義から人数要件が撤廃されたことの影響と考えられる。06年に45施設だったのが221施設へと5倍近くの増加となった。 調査は07年10月、老人・障害者・児童・生活保護など86種類の社会福祉施設のほか、障害者自立支援法による15種類の障害福祉サービス事業所を対象に実施。集計対象施設数は2万892。障害者施設については06年10月に自立支援法が全面施行されてから初めての調査となる。(以下略)
ADL→日常生活に最低限必要な基本動作
2008/10/27 病院の言葉を分かりやすく 国語研究所が提言 独立行政法人国立国語研究所(東京都立川市)がこのほど、難しい「病院の言葉」を分かりやすく言い換える提案をまとめた中間報告を発表した。ADL、グループホームなど、介護関係者が普段使う言葉も候補に挙がっている。同研究所では中間報告への意見も公募しており、来年3月に最終報告をまとめホームページで公開する予定。 「ADL」は「日常生活に最低限必要な基本的動作」と言い換える。患者による言葉の認知率が29・7%、意味の理解率は9・3%と極めて低いことから、「寝起きや移動、トイレや入浴、食事、着替えといった日常生活に必要な最低限の動作のことで、高齢化や障害の程度をはかる指標とされる」と説明することも奨励している。(以下略)
高齢者医療制度の見直し策
2008/10/27 趣旨ゆがみ、複雑化 これまでに4300億円投入 16日の参院本会議で可決、成立した総額1兆8千億円の08年度の補正予算。うち高齢者医療の見直し費は2528億円で、制度導入前の昨年度の1700億円に続き、今年度もまた巨額の財源が投入されることになった。相次ぐ見直し策で当初の趣旨はゆがみ、制度はますます複雑化。一体、どんな軽減策が出されたのか、混乱している読者も少なくないはずだ。補正予算の内容を元に、これまでの軽減策のおさらいをしてみた。 これまでに出た「高齢者医療の改善策」は上表の通りだ。 まず低所得者に対する保険料の軽減拡充策。後期高齢者医療制度の保険料は、被保険者全員が一定額を負担する「均等割」と、被保険者が所得に応じて負担する「所得割」を合算した額からなるが、09年度からの軽減は、2通りある。 軽減策の1つは、「均等割」の保険料が7割軽減だった世帯のうち、年金収入が年間80万円以下の世帯の保険料を9割軽減する。この軽減は世帯単位で判定されるため、後期高齢者の夫婦の場合は、いずれも年金収入が80万円以下で、他の収入がないことが条件になる。(以下略)
18万筆と請願書を提出 NCCUが決起集会
2008/10/27 プラス改定実現目指す 介護従事者の職業別労働組合「日本介護クラフトユニオン」(河原四良会長、NCCU)は17日に都内で行われた定期大会で、介護報酬の引き上げを求める請願書に18万超の署名を集め、衆参両院議長宛てに提出したと発表した。この要求内容の実現を目指す決起集会も同日開催するなど、介護労働者の処遇改善に向けた報酬改定運動のラストスパートに入った。昨年のコムスン問題や06年のマイナス改定の余波の影響で組合員数が1万人減少するなどの痛手も負っている。プラス改定を実現して組織率の回復につなげたい考えだ。 NCCUは現場からの切実な声を受け、①他職種に比して劣らない賃金水準を実現出来る介護報酬、②改定にあたって新たな保険料負担、サービス利用料の負担が発生しない政策の確立――を求めて今年8月に署名活動を開始。各組合員などが15日までに18万2416人分の署名を集め、21日までに民主党の厚生労働委員などを通じて衆参両議院議長宛てに請願書を提出した。(以下略)
14万3200人 7年ぶり減少ケアマネ試験申込者数 8割の自治体で前年度比減 資格の人気に陰り?
2008/10/20 今月19日に実施される第11回介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネジャー試験)の申込者数は昨年より6217人減り、14万3229人となることが本紙の調べで分かった。2002年以降増加傾向にあったが7年ぶりに減少に転じた。1998年の試験開始から11年目を迎え「一通り施設・事業所に行き渡ったのでは」「仕事がきつく人気が落ちている」との行政担当者の声もある。介護職離れが問題になるなか、キャリアアップや待遇改善につながるケアマネ資格の取得を目指す人数にも陰りが出ていることは注目される。 聞き取り調査は本紙が毎年行っているもので、14日までに全都道府県から回答を得た。それによると今月19日に行われる第11回試験の申込者数は14万3229人。前回の14万9446人から6千人余り減少した。 伸び率はマイナス4・2%。なんとかプラスを維持していた昨年の1・4%から、ついにマイナスに転じた。 都道府県別に見ると、昨年より申込者数が増えたのは8・4%増の沖縄、8・3%増の新潟などわずか10県にとどまり、約8割にあたる37都道府県で軒並み減少している。(以下略)
日比EPA 1月発効へ 比上院批准
2008/10/20 来夏にも介護福祉士来日 フィリピン上院は8日、フィリピン人看護師・介護士の日本への受け入れを含む日比経済連携協定(日比EPA)への批准を承認した。06年9月の署名から丸2年間棚ざらしになっていた受け入れ策が、ようやく前進することになる。外務省によると、1月にも発効し、来年4月には看護師、7月までには介護福祉士候補者の受け入れにこぎつけたい意向だ。 (以下略)
よくわかるQ&A 地域格差の是正
2008/10/20 都市部で上乗せ中山間地も拡大 09年度報酬改定厚労省具体案 介護報酬の議論が本格化している。9日に開かれた介護給付費分科会では、大都市部と中山間地域での加算の見直しについて厚生労働省が基本的な考え方を提示した。その概要を紹介する。 (以下略)
ケアマネ報酬改定1件2万円など要望
2008/10/20 健愛会医療連携に加算も 東京都足立区・江東区などで4カ所の単独型居宅介護支援事業所を運営する健愛会(中村正樹理事長)はこのほど、次期介護報酬改定に対する意見と要望をまとめ、厚生労働省に提出した。将来にわたって単独型の事業所が地域ケアの要として運営していくためには、ケアマネジャーの報酬単価を要介護度にかかわらず1件当たり2万円とするほか、医療ニーズの高い在宅高齢者の実態に合わせて在宅医療との連携を報酬で評価するなど、加算・減算要件を全面的に見直すことが必要だとしている。 健愛会は、足立区柳原地域を中心に制度のなかった1970年代から往診・訪問看護を主体とする地域医療に取り組んできた健和会のグループ法人。主に診療所と在宅介護サービス部門を中心に事業を展開しているが、介護保険当初からケアマネジメントは公正・中立の立場であるべきという方針を明確にし、単独型の整備に力を入れてきた。現在までに単独型は4カ所開設し、21人の専任ケアマネジャーが所属している。(以下略)
福祉用具のJISマーク貼付製品は年明けに
2008/10/20 電動ベッドは様子見も 10月から新JIS制度の本格運用が開始し、手動車いす、電動車いす、在宅用電動介護ベッドの3分野で製品にJISマークを表示出来るようになった。だが、実際にJISマークを貼付するには、製品ごとに登録認証機関の認証を受ける手続きが必要で、3カ月程度の時間がかかるという。事故が多発している電動介護ベッドは手すりを含めた新しい規格を検討中のため、さらに遅れることになりそうだ。 10月1日から製品へのJISマーク貼付が行えるようになったのは手動車いす、電動車いす、在宅用電動介護ベッドの3分野。福祉用具での事故が多数報告されているなか、一定基準以上を満たした製品を別枠で扱うことで、「これまで手探りで製品を選んでいた利用者に明確に〝安全性〟を示すことが出来る」(田中理日本福祉用具評価センター副理事長)と業界からの関心も高い。(以下略)
高齢者医療と国保を一体化 介護保険との統合案も 舛添厚労相が私案
2008/10/14 舛添要一厚生労働相は7日に行われた「高齢者医療制度に関する検討会」(座長=塩川正十郎元財務相)に、後期高齢者医療制度の見直しに関する私案を示した。75歳以上で区切るのを止め、長寿医療制度と国保を都道府県単位に再編して一体的に運営する内容だ。また、65歳以上を対象に医療保険と介護保険を統合する案も議論された。後期高齢者医療制度の見直し問題が、介護保険にも波及する可能性が浮上してきた。 舛添厚労相は私案を「あくまで一つの案」として示した。現在、市町村単位で運営している国民健康保険を都道府県単位に再編し、75歳以上で独立している後期高齢者医療制度と一体化、被用者保険からの財政調整を受けながら都道府県が運営するという内容だ。75歳以上でも被用者保険に加入し続けられる選択肢も残す。75歳で区切ることへの高齢者からの反発に配慮して、国保に後期高齢者医療制度と前期高齢者の財政調整を組み込み、年齢による区分を無くした形だ。(以下略)
年金天引き」600万人が対象
2008/10/14 * 15日から、65歳以上 * 国保料も特別徴収に 年金天引きによる「10・15ショック」はあるのか。その日が目前に迫ってきた。後期高齢者医療制度の保険料の4回目の天引きが今月15日に行われる。今回新たに、これまで保険料負担のなかった75歳以上の被扶養者から徴収が始まるほか、国民健康保険加入の対象者約300万人の保険料の年金天引きも同時スタート。行政も周知徹底には取り組んでいるものの、当の高齢者にどれだけ知られているかが、再び問われることになりそうだ。 後期高齢者医療制度では、10月からは、・・半年間保険料徴収を凍結されていたサラリーマンの子どもなどに扶養されている被扶養者約200万人、・・半年間天引き実施を延期していた東京23区などの29自治体の被保険者約90万人、・・75歳以上で会社などで働いている約35万人が新たに天引き対象になる。さらに、世帯の65074歳全員が国民健康保険に加入している世帯も年金天引きに切り替わる。最大で625万人が対象となる計算だ。 後期高齢者の被扶養者の保険料は、10年3月までの保険料は9割が軽減されることが決まっており、厚生労働省によると2カ月に1回の天引き額は全国平均で660円程度になる見込みだ。(以下略)
人件費高騰が経営圧
2008/10/14 * 介護経営実態調査を読む 厚生労働省が3日公表した08年介護事業経営実態調査は報酬改定の重要資料の一つとされる。人件費が上がり経営を圧迫しているのは全体的な傾向だが、事情はサービス種類によって異なる。当日の介護給付費分科会で出された意見も交えポイントをまとめた。(以下略)
虐待者の4割は息子
2008/10/14 * 施設は認知症GH最多 * 厚労省調査 厚生労働省は6日、全国の市町村を対象に高齢者虐待の対応状況について調べた2007年度分全国調査結果をまとめた。在宅で虐待と判断されたケースは初めて全国調査が行われた06年度より704件(5・6%)増加し、1万3273件。85・7%が虐待者と同居しており、虐待を行ったのは「息子」が40・6%で最も多かった。殺人や介護放棄など、虐待を受けて死亡した高齢者も27人に上っている。一方、施設で虐待と判断されたケースも前回より8件(14・8%)増加し62件。施設種別では認知症対応型GHが3割で最多だった。(以下略)
サービス利用計画費対象者困難ケースのわずか26%
2008/10/14 * 三菱総研調査 * 支援内容に差なし 三菱総研はこのほど、障害者自立支援法でサービス利用支援や情報提供などを行う相談支援事業者を対象に、業務内容や利用者の実態についての調査結果をまとめた。自立支援法では介護保険のケアマネジメントと違って、相談支援事業者には単身世帯や重度の障害者に対するサービス利用調整を行った場合のみ、給付から「サービス利用計画作成費」が支給される。調査では、相談員が「支援困難」と感じているケースのうち、作成費の支給対象となっている利用者は26・5%しかなかったが、実際に行っている支援内容に差はないことが分かった。報告書では、作成費が本来評価すべきはケアマネジメントのプロセス全体であるとした上で、法律の見直しに当たっては、給付対象範囲をサービス利用者すべてに拡大してケアマネジメントを評価する仕組みに変えることなどを提案している。(以下略)
「福祉施策の拡充必要」介護保険では限界… 21・老福連の調査に施設長の9割 応能負担化は7割賛成
2008/10/01 介護保険だけではもう限界。措置制度時代から高齢者福祉に携わってきた特養・養護ホームなどの施設長が中心となって組織する「21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会」(21・老福連、代表幹事=相羽孝昭・みやま大樹の苑、岸田孝史・緑陽苑、中村公三・槻ノ木荘)は9月29日、介護保険制度の問題点について全国の老人ホーム施設長に対して実施したアンケート調査の結果をまとめ、公表した。7割近くの施設長が「応能負担に改めるべき」と回答した。また、保険サービスだけでは高齢者の生活を支えることは出来ず、行政責任で行う「福祉」施策の拡充を優先して進めることについても86%が賛成していた。 21・老福連は特養・養護ホームなど介護保険前の措置時代から老人ホームを運営する施設長有志を中心に2001年に設立された。 老福連の幹部によると今回の調査は、「経営という事業者サイドの都合だけで介護保険の問題点を捉えるのではなく、利用者の立場に立った高齢者福祉のあり方について施設長の考え方を把握するのが目的」だという。「介護保険は老人福祉の全てではなく、一部」などとする同連の考え方や提言に賛成するかどうかを尋ねた。(以下略)
利用抑制の実態明らかに
2008/10/01 * * 全日本民医連が介護保険事例集約 抜本改革を提言 全日本民主医療機関連合会(鈴木篤会長、全日本民医連)はこのほど、介護保険の利用実態と制度改善の課題を明らかにするための事例集約運動「全国介護1000事例」の中間まとめを発表した。費用負担による利用抑制や予防給付への移行、自治体による生活援助の制限などで利用者が必要なサービスを受けられていない「保険あって介護なし」の深刻な実態があると報告した。利用料や介護保険料の負担軽減や必要な介護サービスを誰もが受けられる制度への抜本的な改善、高齢者福祉制度の拡充が必要と提言している。(以下略)
重度化対応加算の延長9月末で打ち切りに
2008/10/01 * 厚労省が自治体に通知 厚生労働省は9月26日、准看護師でも対応可能としていた特養老人ホームの「重度化対応加算」の経過措置の延長を9月末で打ち切ることを都道府県・市区町村宛てに通知した。有料老人ホーム、養護老人ホームなどが対象になる「夜間看護体制加算」も同様の扱いになる。25日の社会保障審議会介護給付費分科会では、特別養護老人ホーム側は、特に地方や小規模な施設で確保が難しい状況があり、算定にあたっての要件緩和を求めたが、経過措置は一旦終了し、結論は報酬改定に持ち越しになった。(以下略)
"待ったなし"の窮状訴え処遇改善求め決起集会
2008/10/01 * 日本介護福祉士会 * 17万人超す署名集まる 日本介護福祉士会(石橋真二会長)は9月29日、介護職員の処遇改善や離職率低下を具体化するための報酬アップなどを求めて全国決起集会を開催した。全国の会員と一般市民も含め約1千人が参加。現職の介護福祉士からは、人手不足と低賃金に苦しむ窮状を訴える声が相次ぎ、国に対し早急に対策を打つことを求めた。同会ではこれまでに介護職の人員配置基準の引き上げや一定の介護福祉士の配置に対する報酬の加算などを求めて署名活動を行ってきた。集会当日までに17万7017筆が集まり、近日中に厚生労働大臣に提出する予定だ。 石橋会長は、「人材確保・定着のためには、報酬の底上げは第一だが、引き上げてもそれが従事者にまわる仕組みでなければ意味がない。中核となる介護福祉士が一致団結して声を挙げていきたい」と挨拶。会では夏以降、介護福祉士の賃金向上やキャリアアップ支援の強化、介護福祉士の配置などを加算で評価することなど9項目を盛り込んだ要望書に対し、全国から署名を集めていた。この日までに約17万筆が集まったことも報告した。(以下略)
利用者負担の半額補助 介護サービスの利用者に杉並区
2008/10/01 * 都の軽減に上乗せ 都の軽減に上乗せ 東京都杉並区は10月から、生計困難な高齢者を対象に、介護サービスの利用者負担の半額程度を助成する制度を創設した。低所得者に対する利用料負担軽減策は東京都が02年から実施しているが、事業者自身が制度に乗らなければ利用者は軽減が受けられないため、同じ低所得者でもサービスを利用する事業者によって軽減が受けられたり受けられなかったりするバラつきがあった。同区の制度は、利用する事業者の別に関わらず、すべての低所得者が利用料の軽減を受けられるようにするのが目的だ。半額から最大8分の5まで軽減されることになる。(以下略)