介護・福祉関連ニュース
「4月から引き下げ」大勢 情報の公表手数料
2008/2/25 * 「予防」分の負担増なし * 赤字の自治体も 介護サービス事業者から「高すぎる」との大ブーイングだった情報の公表の調査事務手数料・公表事務手数料について、大半の都道府県が来年度から引き下げる見通しであることが本紙の調べで分かった。新年度から予防サービスやショートステイなど22サービスが公表対象に加わるが、別途手数料は徴収しないというのが大勢だ。「制度施行から2年が経過し、事務作業の効率化が進んでいる」というのが引き下げの建前の理由だが、事業者からの突き上げや、厚労省からの引き下げ圧力がかかったことが実際の理由のようだ。(もっと読む)
転換老健の全体像を提示 介護給付費分科会
2008/2/25 * 介護4対1は当面維持 * 名称は介護療養型老健に 厚生労働省は20日、社会保障審議会介護給付費分科会に療養病床からの転換の受け皿とする新しい類型の老人保健施設の報酬骨格、施設要件などを示した。新名称は「介護療養型老健」とする。夜間も配置できるよう看護師は6対1、現在の介護療養病床で最も多い介護職の4対1も当面の間維持する。看取りや医療保険から急性増悪時の加算が取れるようになるなど転換による影響は最小限に抑えられたといえる。しかし、「病院から入所した人の割合が家庭からの入所の35%以上」や医療行為の必要な人が一定以上いることが算定要件。転換から時間がたって家庭からの入所が増えたり、軽度の人が増えた場合には、通常の老健の報酬を算定するようになる。「なし崩し」的な転換推進策といえる。 介護療養病床からの転換を推進するために前回の改定では、「経過型介護療養病床」が設けられているが、さらに4月から老健の類型の中に「転換型」が設けられることになる。報酬水準も、「経過型」と通常の老健の中間に位置付けられる見込みだ。(もっと読む)
介護給付 島根県が適正化計画
2008/2/25 * 「指針」と位置付け策定 島根県は15日、県内の13保険者が08年度から実施する介護給付適正化事業についてまとめた「県介護給付適正化プログラム」を公表した。ケアプラン点検や要介護認定など7項目の適正化事業について保険者ごとに実施開始年度や取り組み内容を記載しているが、同プログラムはあくまで「第4期介護保険事業計画策定に向けた適正化分野の指針」と位置付け、事業の詳細は各保険者が次期事業計画の中で最終決定するものとしている。厚生労働省は、全都道府県に対して同様の計画を今年度中に策定するよう求めている。 県はプログラムに、13ある保険者ごとに、要介護認定の適正化、ケアプランの点検、福祉用具レンタル・購入、医療情報との突合など厚労省が主要適正化事業と位置付けている7項目について、現在までの取り組み状況や実施開始年度、今後の方向性を記載している。「実施しない」場合の補完措置の内容も示した。厚労省は「10年度の100%実施」を求めているが、保険者ごとの現時点での実施見込みを踏まえ、県は実施率をケアプラン・介護給付費通知は10年度に69%、認定調査状況のチェック100%などとしている。。(もっと読む)
生活援助 制限の実態変わらず
2008/2/25 * ヘルパー連絡会全国集会で報告 * 制度改善要求へ ホームヘルパーが個人単位で加入できる全国組織「ホームヘルパー全国連絡会」が17日に開催した全国交流集会では、現場の介護職員から各自治体が行っている生活援助の「制限」の実態が報告された。昨年12月に厚生労働省は、訪問介護の生活援助について同居家族の有無のみで一律に「利用不可」とするのは適切でないとする事務連絡を出しているが、実態はまだ変わっていないようだ。国や自治体に対して制度改善を求める声を挙げていこうとアピールもまとめている。厚労省は昨年12月20日に「同居家族がいることのみを判断基準とする一律の生活援助の制限は適切でない」とする事務連絡を発出した。改正介護保険以降に、これまでは利用できていた生活援助を打ち切る市町村が相次いでいるとの指摘を受けて、個々の利用者の状況に応じた判断をするよう改めて周知したものだ。(もっと読む)
急増する有料ホーム紹介業3
2008/2/25 * 「選ぶ」時代の舞台裏 * 仁義なき〝早い者勝ち〟 * 業界適正化への動きも ネットや電話で施設に関する資料請求を受けたら直ちに、施設側に連絡をする。連絡を受けた施設からは営業マンが請求者のもとに駆けつける。最もシンプルな有料老人ホームの紹介事業はこういうかたちだ。 つまり、情報を右から左に流すだけ。これで入居契約が成立すれば最低でも数十万円の手数料が紹介事業者に支払われる。 ウェブサイトと電話があれば開業は簡単。施設の営業マンがヒモ付きで独立開業というのもよく耳にする話だ。小さな事務所に数人の相談員をを置いて、サイト一つで年間七千万円以上を売り上げたというツワモノも実在する。この数年で首都圏を中心に雨後の筍状態で増え続け、80社以上が存在するという説もあるが、全貌は藪の中だ。 「最近ではどっちが先に『ツバをつけたか』で紹介業者同士のトラブルになることもあります」(業界関係者) 2つのサイトで同じ施設の資料を請求した場合に、起きる問題だ。情報を「右から左」に流すだけだから起きる。事業者と紹介業との間で、同じ顧客の情報提供を受けた場合は「早い者勝ち」のルールを設けているケースもある。 何気なく資料請求をした利用者がネットの裏でこんなドタバタが繰り広げられていることを知ったらびっくりすることだろう。もう一つ知っておいてほしいのは、個人情報の扱いも「無法地帯」といえる状況にあることだ。前述したようなビジネスモデルがあり、紹介業者としては一刻でも早く個人を特定できる情報をホーム経営者に伝える必要があるためだ。(もっと読む)
居住系への在宅医療 大幅減
2008/2/18 * 4月からの診療報酬決定 中医協 * 転換老健 緊急往診に500点 今年4月からの診療報酬が、13日に決まった。有料老人ホームや高齢者専用賃貸住宅などへの在宅医療、訪問看護が引き下げられ、療養病床から転換した老人保健施設への夜間、休日の往診が創設される一方、医療療養病床の報酬は引き下げに。介護保険やこれにかかわる事業者にも密接にかかわる部分をピックアップする。(もっと読む)
年金天引きへ秒読み段階
2008/2/18 * 厚労省 担当者に広報要請 75歳以上の被保険者全員から保険料が徴収される後期高齢者医療制度。施行される4月当初から安くない保険料が年金から天引きされる高齢者もいる。施行まで2カ月を切った6日、厚生労働省は、都道府県の老人医療課長や後期高齢者医療広域連合事務局長を対象とした会議で、被保険者の類型ごとに異なる保険料徴収の方法などの周知徹底を求めた。年金制度への信頼が根幹から揺らいでいる中での年金からの「強制徴収」となる。自治体や同省への問い合わせ殺到は不可避といえそうだ。 4月の施行を目前に同省が重要視するのは「制度の広報活動」だ。今月中には、被保険者ごとに算定した保険料額について、制度施行を待たずに、現時点の見込み額として可能な限り情報を提供するよう求めた。 同省の昨年12月のまとめによると、全国の後期高齢者医療保険料の1人あたり平均額はおよそ年間7万2千円。8~9万円台の広域連合も複数ある。 年金額が一定額以上の被保険者は、年金からの天引きが行われるが、天引き開始時期は、新制度施行前に加入していた制度ごとにバラバラだ。(以下略)
転換老健で現場ヒアリング 社保審分科会
2008/2/18 * 病院 医療・看護機能充実を * 保険者 被保険者の納得が必要 社会保障審議会介護給付費分科会(大森弥分科会長)は8日、療養病床からの転換の受け皿とするために老人保健施設の中に医療機能を強化した新しい類型を設けることについて関係者からのヒアリングを行った。「このまま進めば生き地獄」。介護療養型医療施設の存続を求める会の吉岡充上川病院理事長は訴えた。一方、保険者側は、新たに設けられる老健の報酬が廃止になる介護療養病床と比べて低くなるよう求めており、財政面から廃止は当然の立場で平行線は変わらない。新報酬は来月3日に示される予定だ。 「平均在院日数の数え方には除外規定があり、一般病棟の中に寝たきりの高齢者は多い。中途半端な一般病棟こそ無くすべき」 そう訴えたのは、日本療養病床協会の副会長で徳島県博愛病院の武久洋三理事長だ。さらに、病院の耐火基準より老健のほうが厳しいことや、医療設備のある病院では老健の居室面積の基準である「8平方m」を満たすことは難しいなど現実的な転換の「カベ」を指摘。転換先の新しい施設の類型は「医療のできる介護施設であるべき」とした。 「転換推進にあたっては地域性に配慮すべき」としたのは東京にある永生病院の安藤高朗理事長だ。東京は人件費などコストも高く、経営的に他の地域より厳しいだけでなく、さらに深刻な人手不足の状況がある。介護療養病床の数も人口比でいけば少なく、そもそも「不足状態」という。転換を推進するにあたっては、「最低でも看護6対1、介護4対1を継続しないと夜間体制もおぼつかない」と訴えた。(以下略)
介護報酬 加算・減算の点検
2008/2/18 * 日常のケアの質が重要 * 基準超す配置に評価を * 看取り介護加算① 報酬加算の検証を行う2つめのテーマは、特養ホームに新設された「看取り介護加算」だ。常勤の医師の配置義務がなく医療体制の薄い特養でターミナルまで対応する体制を整えることは、入所者の重度化が進む現場や市民団体からも強い要望があった。まずは数回にわたり現場の評価を紹介する。 「看取り介護加算」を算定できる施設は、まず「重度化対応加算」を算定していることが条件だ。医療ニーズと切り離せないターミナル期まで対応するため、常勤看護師の配置や病院等との連携などの体制を整えた上で、介護職や家族の協力を得て施設での看取りを行った場合に初めて算定できる。報酬改定時には、厚労省も中重度者に対するケアを進めていく観点から、要件のハードルは比較的緩やかに設定して普及させていきたいとしていた。 神奈川県小田原市の特養ホーム潤生園(100床)は、これまでに320人を施設内で看取ってきた全国的にも「終の棲家」として知られる施設だ。施設で看取った人は、退所者全体の55%と、全国平均(03年厚労省調査)25・8%の2倍以上。平均要介護度は療養病床とほぼ同じ4・2。入所者の平均年齢は87歳。 これだけ高齢化・重度化が進んでいる背景には、同園が29年前の開設当初から「特養にターミナルケアは必要不可欠」という方針を明確に打ち出し、積極的に重度の利用者を受け入れてきたことが大きい。(以下略)
小規模多機能サービスは今
2008/2/18 * やりがいあっても運営厳しく 2006年制度改正で創設された「小規模多機能型居宅介護」は、利用者のニーズに応じて通所や泊まり、訪問サービスを柔軟に組み合わせて提供することで、要介護になっても住み慣れた地域で暮らし続けられるようにすることを目指したサービスだ。厚生労働省は在宅支援の新たな切り札として推進しようとしているが、2年近く経った現在でも指定事業所数は1313カ所(1月31日現在、WAM NET)と低迷している。指定を取った事業者からは、きめ細かな対応をすればするほどスタッフの負担が大きくなるなど、運営を軌道に乗せる難しさを訴える声が上がっている。さらに、モデルとされていた宅老所のほとんどは新制度に転換していない。新たな仕組みの課題はどこにあるのか。 ベテラン も手探り 「始める前からそう簡単な事業ではないだろうと覚悟はしていました。でも、考えていた以上に厳しいのが現実です」 埼玉県新座市に昨年2月からオープンした「まどか」は、市内第1号の小規模多機能型居宅介護事業所だ。運営主体のNPO法人暮らしネット・えんの代表理事を務める小島美里さんが、現在の状況についてそう話した。 「えん」はもともと、全身性障害者の生活支援を行うボランティアグループとして発足。ひとり暮らしの高齢者や筋ジストロフィーの障害者、精神障害者など、地域の中で支援を必要とするすべての人を対象に、ホームヘルプサービスを始めデイ、グループホームも運営している。(以下略)
基礎研修 「ヘルパー2級の現任研修に」
2008/2/12 * 大阪の養成事業者団体が提言 * 働きつつ学ぶ場を 大阪府内でホームヘルパー養成研修を行っている民間事業者で組織する大阪府訪問介護員養成研修事業者協議会(黒田輝政理事長、大阪訪養協)はこのほど、介護職の研修体系についての提言書をまとめた。現役ヘルパーが働きながらスキルアップできるようにするため、ヘルパーも含む介護職全員への義務化を目指して2006年度から始まった500時間の「介護職員基礎研修」を、ヘルパー2級取得者の現任研修として位置付けることなどを求めている。大阪訪養協の調査では、現在働いている介護職の大半は40~50代の2級ヘルパーであり、現任研修の受講率も低く現時点でも研鑽の機会が思うように得られていない。単なる義務付けでは、現役で働く人がこぼれるだけでなく、最初の入り口でも介護職を目指す人が減ると懸念している。(もっと読む)
千代田区外出介助も利用OK
2008/2/12 * 制度外ホームヘルプ拡充 東京都千代田区は、来年度から軽度者向けの独自のホームヘルプサービスを拡充する。同区は介護保険制度施行当初から独居や高齢者のみ世帯の非該当者などを対象にホームヘルプを提供してきたが、4月からはこれに加え保険対象外の外出介助や同居家族がいる場合のホームヘルプを利用できるようにする。 制度外のホームヘルプサービスは4メニュー。①非該当者と要支援1・2を対象とした生活援助(週1・5時間以内)②要介護1以上を対象とした生活援助・身体介護(週2~10時間)③要支援1以上の外出介助(1回30分以上で週2時間)④要支援1以上の同居家族がいる世帯の生活援助(1回1・5時間、週2回)。利用者負担は、生活援助は30分~1・5時間で220円~400円。身体介護は30分~2時間で250円~720円の設定で、この10倍が事業者の収入となる。 ①と②は制度導入時から非該当者や支給限度額を使い切ってしまう要介護者を対象に市町村特別給付で行ってきた事業。月に45人程度が利用。4月以降は、外出介助と同居家族がいる場合のホームヘルプが追加される(以下略)
昨年5月から3人死亡 介護ベッド手すり事故
2008/2/12 * 経産省が情報収集 今年1月、介護ベッド用手すりの隙間に首を挟まれた香川県の80代の女性が死亡したことが、経済産業省が1日に公表した製品事故のまとめから分かった。介護ベッド用手すりをめぐっては昨年5月以降、首を挟まれるなどして高齢者3人が死亡、2人がケガを負うなど5件の重大事故が起こっていることから、同省は福祉用具レンタル事業者団体やメーカーに対してヒヤリハットも含めた事例や消費者からのクレームを報告するよう求めている。情報収集の結果を踏まえた上で、必要に応じて行政指導などの対応を検討するとしている。 同省は昨年5月、消費生活用製品安全法の改正を受けて、製品メーカーに対して重大な製品事故が発覚した場合は10日以内に同省へ報告するよう義務付ける制度を開始した。 この制度に基づき昨年5月以降、介護ベッド用手すりに関して報告された事故は5件。うち3件は死亡事故だった。今月21日に発生した香川県の女性の事故のほか、昨年5月には兵庫県の男性の衣服がベッドの手すりの固定用ノブに引っかかり窒息死、12月には愛知県の60代の男性が手すりの隙間で首を吊った状態で死亡していた。いずれも要介護者が1人のときに発生していた。(以下略)
研修講師はヘルパー自身
2008/2/12 * みなか 中高年も成長する喜び * 手間かかり導入少数 名古屋市で訪問介護と居宅介護支援、保健指導サービスを提供しているみなか(鈴木恵美子代表取締役)では、毎月1回開催する社内研修の企画・運営を、登録ヘルパーも含む職員全員が交代で担っている。これまで経験だけでやってきたことも、講師として人に教えるとなれば理論や根拠から勉強し直すことになり、伝える力も身に付いていく。50代、60代になってヘルパーとして働いている人でも、「成長し続けられる喜び」を感じてもらえるようにするのが同社の基本的な教育方針だ。 「2007年4月・ケアスタッフに求められる観察・報告力とは」「12月・コミュニケーション能力を高める」「2月・ベッド上の洗髪」――。代表取締役の鈴木恵美子さんが見せてくれたのは、昨年4月に作成した07年度の訪問介護員研修計画書だ。決まっているのは向こう1年間の研修テーマだけでなく、担当する講師役も。同社に勤務するヘルパーの名前がずらりと並んでいる。 鈴木さんは、看護師と保健師の免許を持ち、企業の健保組合で訪問相談を行っていた際、組合員の家族から介護の相談を受けることが多かったのを機に、自ら在宅生活の支え手になりたいと考えて04年に「みなか」を設立。職員の採用面接では、「おむつ交換」を始め「口腔ケア」「吸引」「調理」などの主な介護技術について、どの程度自信を持ってできると考えているのかを自己評価してもらっていたのだが、ヘルパー研修を修了してもおむつ交換さえ自信がないと答える人がいたり、介護福祉士でも利用者の状態を報告したり記録に残したりすることはお手上げ、という人もいた。 「利用者の方にとっては、未経験のパートでもベテランでも同じ会社のヘルパーですから、みんなにプロ意(以下略)
新・急増する有料ホーム紹介業 「選ぶ」時代の舞台裏
2008/2/12 * 首都圏を中心に50社も * 最大手でも歴史は10年 首都圏を中心に介護付き有料老人ホームなど民間の老人ホームなどが急増するのに伴い、施設を探す利用者と施設の橋渡し役として「紹介業」という新たなビジネスが生まれている。正確な実態は分からないが、首都圏を中心にすでに50社を超えるという調査もある。最大手とされるみんかい(東京都品川区、山崎保社長)でも約10年と歴史は浅く、課題もあるが、本格化する「選ぶ時代」に向け、可能性を秘めているともいえる。業界の動向を紹介する。 一都三県で特定施設の指定を取った介護付き有料老人ホームは、793カ所。うち、最も多い東京には359カ所がある。利用者数にほぼイコールと考えられる請求件数をみると、東京の特定施設は月1万9千件。特養ホームの3万4700件には及ばないものの、老人保健施設の8700件、介護療養病床の2600件を大きく上回る。特養には順番待ちの長蛇の列があり、入所は簡単ではない。首都圏の住民にとって、「施設選び」といえば、有料老人ホームのことといっても過言ではない状況だ。価格やサービス、契約内容もそれぞれで多様化の一方。自分や家族にとってどこが一番ぴったりくる施設かが消費者にとってますます分かりにくくなっており、紹介センタービジネスの成長を後押ししているかたちだ。 「事業を始めた頃は有料老人ホームの数自体が100カ所もなく、売り手市場で、紹介センターなんてという雰囲気でした。状況が変わったのはこの5~6年。介護保険ができて、ケアマネジャーや病院のソーシャルワーカーからの相談が増えてきた。今では有料老人ホームにとってなくてはならない存在になっています」 そう話すのはみんかいの笹川康宏民間介護施設紹介センター所長だ。みんかいは、業界最大手で最も老舗。年間の相談件数は5千件以上。紹介した人と施設でこの10年で2597件の契約が成立した。実績をかわれて、4月からリクルートと三井物産の合弁会社が開設する介後情報サイト「かいごのみかた」に寄せられた相談への対応で業務提携した。東京、横浜、埼玉に加えて、千葉にも相談室の開設を準備中だ。(以下略)
外国人介護士 横浜市が就労を支援
2008/2/4 * 給与/資格取得/生活支援 * 東京都も研修に予算 横浜市は来年度、フィリピンやインドネシアの介護士を受け入れる施設への助成や外国人本人への支援事業を1月29日に発表した市の予算案に計上した。受け入れ職員の給与の一部助成や、研修会や情報交換会の実施による国家資格取得対策・日常生活支援を行う。東京都でも受け入れ施設が行う研修への補助を予定しており、施設での人手不足が顕著な都市部の自治体がいち早く積極的な受け入れ姿勢を表明した格好だ。地方では「来年度予算案を編成中だが、事業として取り組む予定はない」という自治体もあり、温度差もあるようだ。(もっと読む)
社会保障の財源を議論
2008/2/4 * 国民会議が初会合 * 年金全額税方式も 政府は1月29日、社会保障制度の給付と負担のあり方を検討する「社会保障国民会議」の初会合を開催した。毎年給付の削減を迫られている各社会保障制度の財源確保にめどをつけるため、消費税の引き上げも視野に入れた議論を展開するのがねらい。会議の下に3つの分科会を設け、6月をめどに中間報告をとりまとめ、骨太の方針の策定に反映させたい考えだ。当初は民主党など野党もまじえて財源確保策を議論するねらいだったが、民主党が参加を拒否したため、与党サイドの会議という格好となった。 座長には吉川洋東京大学大学院教授が就任。竹中ナミプロップ・ステーション理事長、中田清全国老人福祉施設協議会副会長、樋口恵子高齢社会をよくする女性の会理事長ら高齢福祉分野の委員をはじめ連合や日本医師会、マスコミ、都道府県知事など14人が参加した。。(以下略)
介護保険国会内で見直し訴え
2008/2/4 * ハスカップ * 利用者中心の原点に 介護保険は原点に帰れ 。市民福祉情報オフィス・ハスカップは1月29日、「安心して利用できる介護保険を」をテーマに国会内で集会を開いた(写真)。利用者やNPO代表、識者などが国民の立場に立った制度の見直しを訴えた。 ハスカップでは、定期的に利用者からの電話相談を実施し、制度の課題を探っている。06年改正は、利用者に分かりづらいだけでなく、給付抑制的で、特に訪問介護が利用しづらくなったことで、在宅で暮らし続けることが難しくなっており、事業者にも厳しい内容になっているというのが発言者の共通の立場だ。 「要支援か、要介護1でケアマネジメントの担当者も変わってしまう。楽しみにしていた訪問介護での散歩もできなくなった」 そう訴えたのは、サービス利用者の清嶋玲子さん。 「家族は介護従事者。4割の人が働いており、その5割が仕事に影響が出ているという調査結果が出た。ショートステイの充実は不可欠。家族の直接的な支援がないと在宅サービスが成り立たない」 介護者サポートネットワークセンター・アラジンの牧野史子理事長は介護する家族の立場から指摘した。(以下略)
介護報酬 加算・減算の点検
2008/2/4 * 在宅・入所相互利用加算3カ月入所で在宅維持 * 手間かかり導入少数 今年から、いよいよ3回目の介護報酬改定に向けての議論が本格化する。2006年改定では在宅推進を名目に、細かな加算・減算が乱発されたのが特徴だったが、果たして現場での評価は。検証してみたい。今回は特養ホームの「在宅・入所相互利用加算」だ。 特養ホームに創設された「在宅・入所相互利用加算」は、要介護度3以上の利用者が複数で交互に入所した場合、1人あたり1日30単位を加算する制度だ。利用期限は1回につき3カ月。ショートステイよりも長く、入所より短い期間を施設で過ごすことで、重度の高齢者が長く在宅生活を維持できるようにするのが目的だ。北海道などの施設が提案しモデル事業を行った。当時は「ホームシェアリング方式」と呼ばれていた。 「この加算こそ目指す方向だと思いました」 そう話すのは、東京都世田谷区にある区立特養きたざわ苑の岩上広一施設長だ。 同施設は01年の開設。運営主体の正吉福祉会は他にも複数の施設系サービスを持っているが、以前から「利用者の願いは在宅での生活を維持すること。入所は必要なときだけに利用し、また在宅に戻る循環の仕組みを」という思いがあったという。相互利用加算は、そんな法人の理念に合致するものだった。(以下略)
現場発!ホントは楽しい介護の仕事 感動体験が継続の力に
2008/2/4 * 福祉の里・矢吹 孝男 社長に聞く * 職員と喜び分かち合い 転職希望も6割超に 愛知県北名古屋市の福祉の里(矢吹孝男社長)は1983年、たった1台の訪問入浴車と2人の社員で始めた民間入浴サービスの草分け的な企業だ。今ではホームヘルプや居宅介護支援、ショートステイ専門施設など11サービス・20事業所を展開し、職員600人を抱えるまでに拡大した。規模は大きくなっても、社長自らが仕事を通じて得た喜びや感動体験を、率直に職員と分かち合おうとする姿勢は今も昔も変わらない。そんなところに成長し続ける理由がありそうだ。 ――報酬が上がらなければ人の定着も質の向上もできないと嘆く事業者は多いが。 「私が訪問入浴を始めた25年前は、民間企業が自治体の委託を受けることは、まさに死にもの狂いの努力が必要だった。だが、その分、どうすれば他社よりも安くいいサービスを提供できるかを真剣に考えることができた。『1日5件の訪問を、質を下げずに10件回るようにするには』などと寝ないで考え、毎日覚悟を決めて仕事に出たものです。そういう経営者は多かったと思います。その時代のことを思えば国が決めた報酬を当たり前のように受け取れる介護保険は本当にラク。しかし、それに甘えて業績が上がらないのは介護保険のせい、働く人たちは経営者が悪いという悪循環が起き、介護業界全体のレベルが低下しているように思う。報酬も本来は国民の同意のもとで決めていくべき。そういう方向に持っていくために質を上げ、コストを下げるのが民間企業のはずです。 国の財政事情を見れば、もう介護だけにお金を投入できない。だからこそ民間が創意工夫で面白い仕事ができるチャンスだと思っている。人が来ないと言っている事業者が多いのも同じで、あそこの会社は面白そうだなと思ってもらえるようにいろいろ考えてみるのは楽しいですよ」(以下略)