介護・福祉関連ニュース
厚労省が介護人材確保で検討会
2008/4/24 * 雇用管理など具体策探る * 供給側の実情把握 厚生労働省は18日、「介護労働者の確保・定着等に関する研究会」(座長=大橋勇策・中央大学大学院教授)を設置し、初会合を開催した。人手不足が深刻化する介護サービス分野を介護職が働き続けられる環境にするため、具体的な人材確保・定着や雇用管理・処遇改善、生産性の向上など施策の方向性をとりまとめる。2014年に必要と推計する140~160万人の確保に向け、学卒者の参入状況や離職率の最新状況を踏まえた上で、サービス種別ごとの供給見通しを示す方針だ。有資格者の約4割にのぼる潜在介護福祉士の掘り起こし策、ハローワーク等のマッチング機能の検証も行う。7月をめどに中間報告をまとめる。(もっと読む)
介護従事者法超党派で提出
2008/4/24 * 衆院厚労委 衆議院厚生労働委員会は当初18日に予定していた改正介護保険法の採決を延期した。民主党が議員立法で提出していた「介護労働者の人材確保に関する特別措置法案」の扱いに慎重になっているためだ。同法案をいったん取り下げた上で、「09年4月1日までに必要な措置を講じる」ことを盛り込んだ法案を成立させる方向で21日までに民主、自民両党が調整に入った。。 新しく提案する法案は22日、自民党厚労部会に提示された。「介護従事者の人材確保に関する法律案」で介護労働者の賃金水準の実態を踏まえ、賃金や労働環境の改善につながる施策を検討し、必要な場合は来年4月1日までに必要な措置を講じるとする内容だ。報酬改定に含みを持たせているが、「必要な場合」であり具体策はない。政府の国会審議での答弁を踏襲した内容だ。 待遇改善の必要性の認識は与野党共通だが、財源の確保や、賃金引き上げにつながる保障がないなど民主党案は審議でも劣勢。こうした中で与党が譲歩する必要があるか、厚労部会では強い反対意見もあったが、25日の総務会で了承されれば同日に超党派で提案され、可決する見通し。 ■介護従事者の人材確保に関する法律案(仮称) 政府は、高齢者等が安心して暮らすことができる社会を実現するために介護労働者が重要な役割を担っていることに鑑み、介護を担う優れた人材の確保を図るため、2009年4月1日までに、介護労働者の賃金水準その他の事情を勘案し、介護労働者の賃金をはじめとする労働条件の改善に資するための施策の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。 附則 公布の日から施行する。
市川市の1%支援制度 税金の使途 市民が決定
2008/4/24 * NPO支援で注目 千葉県市川市で3年前に導入された「1%支援制度」が注目を集めている。市民が納税した個人市民税の1%を、自身が指定したボランティア団体やNPO法人の活動支援にあてることができる仕組みだ。「税金の使い道を市民のニーズに合わせて決める」手法の一例だ。施行から10年目を迎えるNPO支援の見直しの論議でも、このような支援策を各自治体で取り入れやすくする方向で検討が始まっている。市川市が2005年度に全国で初めて導入した「1%支援制度」は、市民が納めた個人市民税の1%相当額を、それぞれが指定した市民団体への支援金にあてることができる制度だ。 まず、市が支援を希望する団体を公募し、団体が事業計画と希望支援額を申請する。学識者と市民で構成する審査会が事業内容や要件を審査。支援対象として認められると、市報の特別号やインターネット、ケーブルテレビやラジオでの「政見放送」を通じて事業計画を市民に公表。それを見た市民が支援したい団体を選んで市に届け出る。団体を指定せずに市民活動全体を支援する基金へ積み立てることも可能だ。この結果、その団体を指定した市民の市民税納税額の1%が、申請した事業費の2分の1を上限に各団体に補助される。(以下略)
介護と看護の"連携"マニュアル
2008/4/24 * 全国高齢者ケア協会が作成 * 相互理解深める一助に 生活支援と医療・健康管理が重なり合う高齢者介護では、看護職と介護職の連携が欠かせない。だが、頭では分かっていても実際にはちょっとしたことがきっかけで摩擦や対立が生じることも少なくないのではないだろうか。全国高齢者ケア協会(鎌田ケイ子理事長)は、両者のものの見方や考え方、価値観の違いをお互いが認め合い、日々のケアに生かしていくための方法を提案した「介護と看護の連携のためのマニュアル」を作成した。「相手の知らない知識をひけらかす態度をとらない」「新しいやり方を提案をするときは、相手のメリットをまず考えること」など、女性中心の職場で感情的なしこりを残さないための現実的なアドバイスを始め、施設と在宅、ターミナルや認知症ケアなど状況に応じた基本的な連携の考え方をまとめている。お互いの理解を深められる内容だ。 同協会は15年前の設立当初から、「介護と看護の自立と協働のあり方を探ること」を活動のテーマとしてきた。介護職の医療行為に関する実態や意識調査なども数多く行っており、それらをもとに、看護と介護職が実際に連携を進めていくための基本的な考え方を整理し、具体的な実践方法を提案したのが今回の連携マニュアルだ。(以下略)
2割強が開催頻度3~6カ月
2008/4/24 * GH運営推進会議 参加謝金7千円まで 全国認知症グループホーム協会(木川田典彌代表理事)はこのほど、2006年度から地域密着型サービスに義務付けられた「運営推進会議」について、会員事業所を対象に行った実態調査結果をまとめた。省令で定められている「2カ月に1度」の開催を実行しているグループホームは全体の7割近くに上っているが、3カ月や4カ月ごと、あるいは半年に1度しか開催できない事業者も26%に上っていた。また、会議の参加者に対する謝金は特に規定されていないが、調査では11・7%が現金で支払っており、その金額は1人当たり1千円~7千円までと幅があることなども分かった。 調査は昨年12月、全国2千カ所の会員グループホームに対して実施し、508件から回答を得た(有効回収率25%)。06年改正では、事業運営に地域住民の意見を反映させ、サービスの質向上につなぐ目的で地域密着型サービスに「運営推進会議」の設置・開催が義務付けられた。その運営状況全般について調べたものだ。(以下略)
厚労省が介護人材確保で検討会
2008/4/21 * 電動車いす事故多発 電動車いすの事故事例が相次いでいる実態を受け、経済産業省では安全対策を強化する検討を始めた。安全性の認証を受けなければ発売できないPSマーク制度(消費生活用製品安全法)の対象とすることも検討しているという。 電動車いす最大手のスズキ(静岡県浜松市・津田紘社長)は10日、同社の電動車いす「スズキセニアカー」の4機種とOEM商品の「タウンパートナーEK」シリーズの計3万5千台をリコール対象商品とすることを発表した。モーターなどを交換する。 これを受け、経済産業省では同日、リコールの対象商品となった機種で過去に重大事故が3件発生していたことを公表した。(もっと読む)
介護士の受け入れ 第一陣はインドネシア
2008/4/21 * EPA採決 フィリピンに先行 介護人材の受け入れを含むインドネシアとの経済連携協定(EPA)が16日、衆議院の外務委員会で採決された。17日の本会議で承認される見通しで、参議院の承認を経なくても自然承認されることから、先行して協定を結んでいたフィリピンよりもインドネシア人のほうが早く来日することが確実になった。早ければ今夏にも第一陣の介護士・看護師の受け入れが始まる見込みだ。 同協定は昨年8月、日本とインドネシアの間で署名されていた。 17日の衆院本会議で承認された後、参院に送付されれてから遅くとも30日以内には承認される見通し。インドネシアでは協定の国会承認が不要なため、日本の国会の承認をもって発効の手続きに入る。厚労省によると7月にも発効される見通しだ。同時に、両国間で実務の詰めを行い、インドネシア側は候補者の募集・選考、日本側は国際厚生事業団による受け入れ病院・施設の募集、選定を行う。「最速で7~8月に受け入れが始まることも考えられる」(厚労省)状況だ。(以下略)
介護人材 待遇改善 対策の実施求め集会
2008/4/21 * よくする女性の会など 高齢社会をよくする女性の会(樋口恵子理事長)などからなる実行委員会は15日、都内で民主党が提出し国会で審議中の介護人材確保法案など介護人材の待遇改善策の実施を求める緊急集会を開催し(写真)、介護従事者や介護家族、事業者などが介護人材の待遇改善策の必要性を訴えた。与党の国会議員も参加し、「待遇改善策の必要性の点では思いは一つ」だが、人材確保法案への賛成はできないという考えを示した。超党派での対策の検討には含みを持たせている。 衆議院の厚生労働委員会では9日から事業者指導を強化する内容を盛り込んだ介護保険法の改正案とともに、民主党が提案した介護従事者の給与を月額2万円引き上げるとする介護人材確保法案の審議が始まっている。 会場では、特養ホーム職員が「施設では残された人で何とかやりくりしている状態で良いケアなど望めない」。介護家族は「ヘルパーが離職でコロコロ変わる。認知症にはなじみの関係が大切なのに」などと窮状を訴えた。 (以下略)
ヘルパー提言養成研修 介護の基本はセルフケア
2008/4/21 * かかわる人全てに『医学』を ライフ・プランニング・センター理事長 日野原 重明さん * 日本初、基準設けて選別 厚生労働省は今年2月、2012年度をめどにホームヘルパー1級養成課程を廃止し、介護保険法改正で導入した500時間の介護職員基礎研修に一元化する考えを示した。2級課程については当面継続するとしているが、将来的に介護職の基礎資格を介護福祉士に統一する方針に向けた見直しの一歩といえそうだ。ライフ・プランニング・センター理事長の日野原重明さんが30年前から続けている養成講座では、介護にかかわる人全てに、健康で生きるための基礎的な知識である医学・看護学を身に付けてもらうことをモットーとしている。ヘルパー養成課程は、多くの人が正しい医学的知識を学べる機会としてむしろ広げていくべきだと話す。(以下略)
予防も介護と同じ手間
2008/4/21 * 江東区ケアマネ協調査 * 解決求め要望書 東京都の江東区介護支援専門員協議会(会長=國澤一男すこやか代表取締役)はこのほど、会員ケアマネジャーを対象に行った実態調査の報告書をまとめた。2006年度に導入された予防給付について、新規利用者のサービス計画が交付できるまでの訪問回数や、地域包括支援センター・他事業所との連絡調整、書類作成などに要する時間を尋ねたところ、いずれも介護給付と同じだけの手間がかかっていることが明らかになった。身寄りがなかったり、同居する家族にも何らかの疾患があるなど、対応が難しいケースが予防・介護にかかわらず増えていることが大きな理由だ。同協議会では、包括センターと介護サービス事業所が一緒に問題解決に取り組めるような体制づくりを求めて、区に要望書を提出した。 同協議会は2001年に発足。区内で活動する約300人のケアマネジャーのうち約200人が加入している。資質向上や会員間の連携強化のための研修会などを重点的に行っていたが、実態調査は初めてだ。 調査項目は、ケアマネジャーの経験年数や給与・賞与、時間外労働などのプロフィルのほか、離職意向、やりがいや困難と感じること、ケアプランを立てる上で個々のサービス種別ごとにどんな問題があったのか――など50項目にも及ぶ。会員の7割を超える147人から回答を得た。 結果で特に注目したのは、まず、介護給付のケアプランと予防プランでかかっている手間に差がなかった点だ。新規利用者のプラン交付までの平均訪問回数を見ると、介護も予防も「3回」が最多。訪問や他事業所との連絡調整に費やす時間も、ともに「3~5時間」がピークとなっており、書類作成の時間についても同様の傾向だった。(以下略)
後期高齢者診療料「算定せず」
2008/4/14 * 茨城・山形県医師会 * 「かかりつけ」どこまで浸透 後期高齢者医療制度のスタートに伴い創設された「後期高齢者診療料」について、茨城県、山形県の医師会が相次いで算定しない方針を決定し、会員に通知した。月6千円の包括払いで、慢性疾患のある高齢者を計画的に診療した場合に算定できる。「高齢者にふさわしい医療」の目玉でもあるが、1つの医療機関しか算定できないことから「患者の囲い込みが起きかねない」「フリーアクセスの阻害につながる」として反発している。将来的には、患者があらかじめ登録した医療機関を通さなければ他の機関を受診できなくなる「登録医制度」に移行するのではないかという警戒は強い。全国的にもどのくらいの診療所が算定するかは未知数だ。(3面に関連記事)(もっと読む)
特定高齢者把握を変更
2008/4/14 * 厚労省通知 地域支援事業実施で 厚生労働省は3月31日、新年度からの「地域生活支援事業の実施について」を都道府県宛に通知した。介護予防の特定高齢者把握の対象者から「要支援者」を除外、生活機能評価による対象者の決定方法の変更などが大きな改正点だ。新年度から都道府県適正化計画に基づく「適正化元年」となることから認定調査チェック、ケアプランの点検など5つの事業が主要事業に位置付けられた。 老人保健法が4月から高齢者医療確保法に全面改正されたのに伴い、要介護予備軍のスクリーニングとして導入されていた「生活機能評価」が介護保険法に基づく事業に位置付け直された。費用は地域支援事業交付金をあてる。(以下略)
高齢者にふさわしい医療とは
2008/4/14 * 野中医院院長 野中 博氏 患者に聞くことが大事「医療のあり方」理解を * 東京大学大学院教授 日本老年医学会理事長 大内 尉義氏 担う「指揮者」の役割 流れ変える一歩を評価 4月から動き出した後期高齢者医療制度。スタート早々保険料徴収などに絡んだ批判や「6千円までしか医療が受けられない」といった誤報が飛び交っているが、高齢者にふさわしい医療のあり方が一定程度取り入れられたと評価する声もある。それぞれの立場で制度創設に関わった2人の識者に聞いた。 野中医院院長 野中 博氏 患者に聞くことが大事「医療のあり方」理解を 東京大学大学院教授 日本老年医学会理事長 大内 尉義氏 担う「指揮者」の役割 流れ変える一歩を評価(以下略)
高齢者に不適切な薬剤リストを作成
2008/4/14 * 今井医療科学院部長らのチーム * 日本初、基準設けて選別 今井博久・国立保健医療科学院疫学部部長などからなる研究チームは1日、高齢者への使用が不適切な薬剤をまとめたリストを作成した。若年者に比べて薬剤の副作用の影響を受けやすい高齢者の特徴を踏まえ、心不全や転倒などのリスクのある薬を基準を設けて整理したものだ。日本で高齢者に限定した不適切な薬剤のリストは初めてという。介護現場でも活用してほしいとしている。 「抗不安剤の長期作用型ベンゾジアゼピン系薬剤は、高齢者における半減期が長く、使用すると転倒骨折の危険性が高くなる」、「H2ブロッカーの含まれる胃腸薬は、せん妄を引き起こす恐れが高い」――。 作成されたリストには、高齢者が使用を避けることが望ましい薬剤70種類が列挙されている。加えて、認知症や心疾患、排尿障害など病態別に25種類の薬剤も紹介されている。 「高齢者では、若年者と違って薬剤の代謝・排泄機能が低下するなど薬物の副作用リスクが高い傾向にある。それにもかかわらず、これまで日本では高齢者を対象にした薬物処方の基準についての研究はほとんどなされてこなかった」 今井同科学院疫学部部長はリスト作成の理由を話す。既に欧米では、病院や製薬会社への薬剤事故による訴訟対策の観点からも高齢者に使用が不適切な薬剤のリストが作成され、広まっている現状がある。アメリカでは患者の4割程度が薬物の有害事象を体験しており、薬剤関連の死因が全体の5番目という調査結果もあるという。(以下略)
アイ・ピー・エスの在日比人ヘルパー
2008/4/14 * 養成・派遣事業が好調 在日外国人向けの国際通信事業や在日フィリピン人を対象にしたヘルパー養成、派遣・紹介業を行っているアイ・ピー・エス(東京都中央区、宮下幸治社長、0120・933・587)は、4月から在日比人向けのヘルパー講座を名古屋市でもスタートさせた。東京で開講している養成講座卒業生の派遣事業が好評だったことから、東海地域での養成・派遣事業にも力を入れていく考えだ。 同社は、1991年設立。在日外国人向け国際通信事業や通信販売事業が事業の柱。2005年には在日比人を主な対象としたヘルパー2級講座を開講し、06年からは、在日外国人介護職の人材派遣事業もスタートさせていた。この2年で卒業生は約1千人。有料老人ホームを中心に470人が就業したという。 派遣事業では、24時間対応で母国語を話せる電話オペレーターを置き派遣社員の悩み相談に応じるなどの体制をとっており、定着率も「日本人よりも高いくらい」(宮下社長)だ。在日外国人が苦労する読み書きについても養成時間にプラスして介護記録の付け方を教えるなどフォロー体制にも力を入れている。(以下略)
予防サービスに一定の"効果"?
2008/4/7 * 予防評価委が仮集計 秋にも中間まとめ * 費用対効果が課題 厚生労働省の介護予防継続的評価分析等検討会(座長=辻一郎東北大学大学院教授)は3月31日、介護予防サービスについて一定の効果が認められるとする仮の分析結果をまとめた。秋頃には、分析方法をさらに精査し、最新のデータをもとに中間まとめを行う予定だ。厚生労働省は、分析結果を今年度中に各保険者が策定する第4期介護保険事業計画にも反映することを求める方針を示している。「効果」を巡る議論が再燃しそうだ。(もっと読む)
小規模多機能型で高い報酬
2008/4/7 * 29区市町を認定・実施 * 夜間訪問は3市のみ 厚生労働省は3月28日、小規模多機能型居宅介護などについて保険者による独自の高い報酬設定を認める認定通知を、申請のあった全国29区市町に対して行った。申請区市町村の大半が4月利用分から加算の上乗せを実施。事業創設から丸2年が経つが、採算面などから全国的にサービスが増えない状況を踏まえて、高い報酬を設定して事業者の参入を促したい考えだ。 小規模多機能型と夜間対応型については、市町村が、地域の実情に合わせて独自の報酬が設定できる。小規模多機能型では認知症高齢者の割合、専門職の確保、他事業者や地域との連携――の国が示した指針に沿って市町村が要件を設定し500~1千単位、夜間対応型ではオペレーションセンターを設置していない場合で100~300単位の上乗せが認められる。 2月末を締め切りに行われた2回目の申請認定では、厚労省に申請した6区20市3町が独自基準の設定を認められた。昨年10月から実施している東京都足立区、群馬県高崎市、秋田県横手市の3区市を含めると全国32区市町。 (以下略)
2012年度には20万床強
2008/4/7 * 都道府県が療養病床目標数 国目標に5万床上積み * 本紙調査 療養病床の再編を受けて2012年度末に残す医療療養病床数を盛り込んだ医療費適正化計画がほとんどの都道府県で策定された。3月末の本紙の聞き取り調査では、6県を除く41都道府県が目標値を明らかにした。06年10月時点で約35万床の病床を、14万4000床(42%)削減し、約20万床にする。厚生労働省は当初、全国に12万床ある介護療養病床を全廃し、23万床ある医療療養病床も15万床に削減する再編計画を示したが、都道府県の計画を積み上げた結果はこれを5万床上回っている。地域差も大きい。 高齢者医療確保法に基づく医療費適正化計画は、将来の医療療養病床(回復期リハビリ病床を除く)の必要数などを盛り込み、今年4月に施行とされている。本紙が3月末に都道府県に聞き取り調査を行ったところ、ほとんどが策定を終えており、41県が12年度の目標数を明らかにした。 06年10月1日時点の全国の療養病床数は、医療約23万床、介護約12万床の合計約35万床。これを受けて、各都道府県が出した12年度末時点の医療療養病床の目標値を積み上げると、20万1282床になった(6県分除く)。約5年間で14万4000床、42%の療養病床を削減する計算だ。 しかし、当初政府が掲げていた目標数は、介護療養病床は全廃、医療療養病床は15万床にするというもの。比べると、5万床も多い計算だ。目標値を明らかにしていない残り6県分を積上げると、さらに残る療養病床数は多くなると予想される。(以下略)
認知症短期集中リハに効果
2008/4/7 * 生活意欲が有意に改善 * 全老健まとめ 2006年度の報酬改定で老人保健施設に創設された「認知症短期集中リハビリテーション実施加算」について、全国老人保健施設協会(全老健、川合秀治会長)が、その効果を検証する研究事業を進めている。このほどまとまった06年度の調査研究報告書では、同加算を算定してリハを実施した入所者はそれ以外の人と比較して、身の回りの家事や周囲への関心、コミュニケーションなどの状態が有意に改善したほか、抑うつ状態や日常生活動作にも改善傾向が見られたことが明らかになった。認知症高齢者に対するリハビリテーションの有効性を裏付ける結果だとしている。 06年度改定ではリハビリテーションに関する報酬上の評価が手厚くなったのが一つの特徴だが、認知症高齢者に対するリハの方法論は確立されていないこともあり、同加算は老健施設の入所者のみを対象とする限定的なものとなっている。いわば試行的な扱いだ。 同加算の算定要件は、まず、多職種協働で週2回以上、1日20分以上の個別リハを行う「リハビリテーションマネジメント加算」を算定していることを条件に、1日20分以上、認知症の入所者とPT、OT、STなどのセラピストがマンツーマンでリハビリを行うものだ。算定上限は週3回まで、期間は入所から3カ月となっている。(以下略)
元コムスン事業 5カ月後の今
2008/4/7 * セントケア・ホールディング * 今月教育事業を一本化 理念共有から統合図る コムスンの事業継承から5カ月が経った現状をシリーズで紹介する。在宅系事業を最多の14県で承継したセントケ・アホールディング(東京都中央区・村上美晴会長兼社長)では、4月から、教育事業で元コムスン事業と既存事業とを一本化する。本当の意味での「統合」に向けてようやく第一歩を踏み出すといえる。 セントケアは、在宅系事業で最多の14県で事業の承継を受けた。承継の方式は、各都道府県ごとに立ち上げた承継会社で事業を引き受けるかたちで、宮城、茨城、静岡など12県で昨年11月1日から、熊本、宮崎の2県で12月1日からセントケアとしてのサービスをスタートさせている。しかし、情報把握や体制整備に追われ、既存事業と元コムスン事業の2つが別々に動いていたという。 「4月から既存事業と元コムスン事業との教育・研修事業を一本化する。まずは、元コムスンの従業員の方にも弊社の理念と介護への考え方を理解してもらいたい」 現状を説明するのは介護事業を統括する田村良一ヘルスケア事業部部長だ。同社とコムスンでは、社風も給与体系も、サービス提供の体制も異なる。たとえば、同社では訪問介護を専門性あるプロの仕事と位置付け、身体介護と生活介護でも同額のヘルパー時給としているが、コムスンは身体介護に手厚い介護報酬に沿った時給設定になっている。しかも、同社と承継事業の従業員数の比率が2対1程度。「統合」への道のりは平坦ではない。(以下略)
”ローカルルール”に負けない!
2008/3/10 * 東京都介護支援専門員研究協議会 * 事例集め改善につなぐ * 異なる行政指導に対抗 給付適正化の流れと相まって都道府県や市町村による指導が年々厳しくなっていることに、泣かされているケアマネジャーは少なくないだろう。利用者の実態を勘案せずに書面だけで判断する画一的な指導も不満の種だが、さらに厄介なのは自治体ごとに解釈が違う、いわゆる”ローカルルール”の運用がまかり通っていることだ。こうした状況を改善しようと、東京都介護支援専門員研究協議会(鈴木博之理事長)では、給付算定についてケアマネジャーが保険者に照会した事例を集めて、保険者間の解釈の差異を明確にしていく活動を始めた。「真に必要性のあるケースについてはきちんと算定がされるよう、少しずつでも事例を積み上げていけば、共通ルールを増やすことができるかもしれない」。ケアマネジャーが利用者のために働くことができる環境をつくりたいと意欲を見せている。 同協議会がこのほど作成したのは「介護給付に関するFAX報告フォーム」だ。ケアマネジャーの名前と連絡先のほか、介護報酬の算定に関する疑義について保険者に問い合わせた内容や、指導検査で不適切と指導を受けたものの疑問点が残った場合など、保険者とのやりとりを具体的に書き込むようになっているA4サイズ1枚の様式だ。 同居家族がいる利用者への生活援助の適応や通院介助の算定の解釈など、各保険者や都道府県が行っている指導内容にバラつきがあることは以前から指摘されている。報告フォームは、そうした事例を集めるためのものだが、単なる実態把握が目的ではない。(以下略)