介護・福祉関連ニュース
医療と介護の連携を形に 厚生労働省老健局長宮島俊彦氏に聞く
2008/8/21 報酬改定は「熱意」カギ 7月、新しい老健局長に宮島俊彦氏が就任した。1986年の老健施設の創設にかかわった宮島局長は、「在宅復帰」や「療養病床再編」は当時から目指していた方向性として、引き続き在宅での介護・医療を推進すると話した。ポイントとなるのは、介護に比べて遅れている在宅医療の強化。在任中に医療と介護をパッケージで提供できる仕組みの構築に目鼻をつけたいと抱負を語った。(以下略)
施設ケアマネジメントに注目を 全老健に「施設ケアマネジメント部会」
2008/8/21 * 東憲太郎 常務理事に聞く * 実行するケアプランへシステムの確立が必要 全国老人保健施設協会(川合秀治会長)は来月、「施設ケアマネジメント部会」を発足させる。介護保険制度では、施設利用者にもケアプランの作成が義務付けられているもののほとんど光があたっていない。部会長の東憲太郎常務理事(三重県・いこいの森施設長)は、「在宅のケアマネジメントをそのまま施設に持ち込もうとしていることがそもそもの間違い」と言い、施設ならではケアマネジメントシステムの確立が必要であると指摘する。(以下略)
特養ホーム595床未稼働 川崎医療大学の川上講師ら調査
2008/8/21 人手不足首都圏全域に 人手が確保できないために稼動できないでいる特別養護老人ホームのベッドが1都3県で600床にのぼることが、川崎医療大学の川上富雄講師らの緊急調査で明らかになった。ベッド数を減らさざるをえない施設があることは知られているが、実態は明らかになっておらず貴重なデータといえる。特に、ショートステイの閉鎖が目立つ。絶対数が少ないためにもともと利用しにくいサービスが、さらに利用しにくくなっている可能性もある。 調査は今年7月、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県の特別養護老人ホーム1121カ所を対象に実施。6割の709施設から回答を得た。(以下略)
期待に胸を膨らませ 日本語研修スタート インドネシア人看護師・介護福祉士候補
2008/8/21 インドネシア人看護師・介護福祉士候補 インドネシアとの経済連携協定(EPA)に基づくインドネシア人看護師・介護福祉士候補者の日本語などの研修を行う海外技術者研修協会の開講式が8日、都内で開催された。東京と横浜の研修センターで研修を受ける看護師候補者23人と介護福祉士候補者45人が参加し、研修生代表のエルリ・リドワンさんが日本で働くことへの意欲をアピールした。 EPAに基づくインドネシア人看護師・介護福祉士候補者の第1回の来日者は205人。まず全国各地で日本語などの6カ月間の研修を受講することになる。都内での開講式に参加したのは、海外技術者研修協会が東京・横浜で研修を行う68人だ。同協会では149人の研修生を受け入れるが平均年齢は26・3歳。若く期待に胸を膨らませての来日だ。(以下略)
資金繰り悪化、各地で「暴走」 社会福祉法人初の民事再生
2008/8/11 近畿厚生局「聞いてない」 兵庫県の長和福祉会 兵庫県での社会福祉法人として初の民事再生の適用の申請、広島県の社会福祉法人で発覚した不正流用。相次いで発覚した社会福祉法人を巡る問題の背景には、急速に膨張した介護・福祉グループの資金繰りの悪化があるようだ。 7月28日に社会福祉法人としては全国で初めて民事再生法の適用を申請したのは社会福祉法人長和福祉会(兵庫県加古川市、山田武司理事長)。 グループ全体の中核である医療福祉コンサルタント会社「ケイワイ」の資金繰りが悪化、連帯保証をしていた長和福祉会の2施設の介護報酬は5月支払い分から差し押さえられていた。(以下略)
インドネシア人看護師・介護士受け入れ施設100カ所
2008/8/11 来日208人、予定の4割 日本・インドネシア経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシア人看護師・介護福祉士候補者を受け入れる施設は、看護師47施設、介護福祉士53施設の合計100施設と決定した。一方、入国するインドネシア人は看護師・介護福祉士いずれも104人ずつで208人。希望者・受け入れ施設とも当初予定していた数を大幅に下回ったことにより、1施設最低2人以上としていた条件についても引き下げざるを得なくなった。介護福祉士では13施設が1人ずつの受け入れとなっている。7日に入国後、8日から海外技術者研修協会などで6カ月間の日本語研修が始まる。(以下略)
療養病床は22万床存続 厚労省が下方修正
2008/8/11 給付費は1200億円減 厚生労働省は5日、療養病床の削減目標を下方修正し、2012年度末時点で約22万床を残す方針を決めた。当初は35万床を15万床に削減し、3千億円の医療費削減を見込んでいたが、削減幅は1200億円にとどまる見込みだ。 同日開催された自民党の社会保障制度調査会医療委員会に同省が方針を示し、了承された。 医療費適正化計画を策定済みの44都道府県の医療療養病床の目標数を合算したところ、12年度末で約21万床となった。この数値に未策定の3県の数字を含めると約22万床になるとの試算を示した。(以下略)
介護福祉士養成大学連絡協議会が発足 東洋大学ライフデザイン学部長 古川孝順会長に聞く
2008/8/11 介護の専門領域を探求 現場との協働も不可欠 介護福祉士養成コースを持つ4年制大学が中心となって先月、「介護福祉士養成大学連絡協議会」が発足した。昨年の法改正では養成施設卒業者にも国家試験を課すなど大幅な見直しを行うことになったが、養成教育のあり方を考えていく上では「介護福祉士資格の持つ専門領域とは何か」という根本的な議論がこれまで以上になされなければならないと、協議会の代表である古川孝順東洋大学ライフデザイン学部長は話す。現場にとって役立つ専門職とするためには、教育機関だけでなく介護事業者も一体となって考えていくことが必要であり、将来に向けて養成教育のあり方を探求していく間口の広い組織を目指したいとしている。(以下略)
ドラッグストア大手が介護関連事業を強化 生き残りかけ競争
2008/8/11 ドラッグストアチェーンを運営する大手事業者が高齢者介護関連事業を強化してきている。ウエルシア関東(さいたま市、鈴木孝之会長兼社長)は、8月から有料老人ホームへの日用品の宅配事業の試行事業をスタート。将来的には、介護施設と連動して調剤薬局付きストアを展開していく考えだ。スギ薬局(愛知県安城市、杉浦広一社長)は、9月に新会社での訪問看護事業をスタートさせる。他の各社も、今年度から住宅改修事業や保険外の家事援助事業をスタートさせるなど高齢者介護関連事業の強化を図ってきている。いずれも売上高400億円超の事業者で、動向に注目が集まりそうだ。(以下略)
介護の日は11月11日 保険料アップ必要だ 舛添厚労相が発表
2008/8/4 舛添厚労相は7月27日、厚生労働省と全国社会福祉協議会が都内で開催した「福祉人材フォーラム」の挨拶で国民全体で介護についての理解を深め、介護への支援を行う目的で制定する「介護の日」について、11月11日とすることを発表した。 舛添大臣は、「いい日いい日と語呂合わせで覚えやすい。11月にはさまざまな催しを行い、国民全体で介護についての理解を広げていきたい」と説明。人材の確保定着のためには「介護保険料を引き上げる必要がある」と報酬の引き上げに国民の理解を求めていく姿勢を示した。 福祉人材フォーラム」は、福祉・介護サービスの魅力や意義を啓発していく目的で今年度から設けられた7月21日から8月3日までの「福祉人材確保重点実施期間」の1イベントだ。「介護の日」は、介護についての理解を深め、介護従事者、利用者・家族を支援する普及啓発を行う日のこと。介護の人材不足が主要議題になった改正介護保険法の国会審議の中で急浮上し、制定が決まった。(以下略)
ケアマネの更新研修費 自己負担、自治体で大差
2008/8/4 本紙調査 4万超からゼロまで ケアマネジャーに5年ごとに受講が義務づけられている更新研修が今年度から本格的に始まるが、受講費の自己負担は、静岡県の4万1千円から富山県の0円まで都道府県によって大きな差があることが、本紙の聞き取り調査の結果分かった。国の補助金もあるが、利用しているのは約半数。財政事情や補助の継続性への不安から「使わず自己負担で」と判断している都道府県も少なくないようだ。 ケアマネジャーの資格更新制度は、06年度の制度改正で導入。実務経験者は合計53時間の研修を5年ごとに受講し、資格を更新しなければならない。これまでの現任研修の専門研修課程Ⅰ相当(33時間)、Ⅱ相当(20時間)を「更新研修」として再編した。経過措置で昨年度から研修を始められるようになっているが、多くの都道府県では今年度からスタートする。研修を受けるのはケアマネを続けるための義務となったわけだが、本紙が調べたところ受講者の自己負担額は大きな差があることが分かった。(以下略)
医療と介護で最期まで、安心 福岡・有吉病院
2008/8/4 受け入れ難の高齢者が「普通の暮らし」を継続 有吉病院(福岡県宮若市、有吉通泰理事長)は抑制廃止や介護療養病床では全国で初めて個室・ユニットケアなどにチャレンジしてきた老人病院として知られる。「胃ろうが外れて口から食べられるようになった」「脳梗塞で衰弱していたお年寄りが笑顔を取り戻した」などの例が多数あるのも、多職種によるエビデンスに基づいた医療と、それと連携した介護・看護があるからのようだ。施設内の様子は一見、特養や老健と変わらないように見えるが、ひん回の吸引、重度の認知症など、ここでなければ受け入れが難しい人たちが「希望する暮らし」を実現するためのケアが展開されている。介護療養病床の廃止まであと4年。その後も今の医療・介護を維持し続けられる仕組みを模索中だ。(以下略)
ヘルパー養成研修 提言 吸引は介護の基本
2008/8/4 市民の声が制度を変える 三軒茶屋病院院長 大坪 公子さん 1750人余りの女性医師で組織する日本女医会(小田泰子会長)では、2006年度から2年間かけて介護職や一般市民がたんの吸引の知識や技術を身につけられるようにするための教育プログラムを作成し、全国で研修を行った。事業を企画した同会の理事(当時)で三軒茶屋病院院長の大坪公子さんは、「たんや唾液を吐き出す力のない高齢者にとって吸引は基本的な介護」と言い、多くの人が正しい知識と技術を身に付ければ窒息や誤嚥性肺炎を防ぐことが出来るようになると話す。今後、胃ろうや経管栄養、褥瘡のケアなど同じような医療ニーズが増えていくが、一般の市民も含めて医療知識と技術を身につけられるような教育システムを確立していくことが必要だと考えている。(以下略)
設ケアマネジメント 在宅との連携に評価を
2008/8/4 日本ケアマネジメント学会で確認 かかりつけケアマネも 日本ケアマネジメント学会(会長=井形昭弘・名古屋学芸大学学長)の第7回研究大会が7月24~25日、熊本市内で開催された。参加者は約1200人。昨年の札幌大会の約2倍と盛況だった。施設ケアマネジメントとケアマネジャーの役割をテーマにしたシンポジウム(写真)では、高齢者の生活を切れ目なく支えるには施設ケアマネと居宅ケアマネの連携が欠かせないことが確認された。 東京都世田谷区立特別養護老人ホーム「きたざわ苑」では、1つのベッドを複数の利用者が3カ月以内ずつシェアする、『在宅・入所相互利用』を行っている。在宅のケアマネジャーとの情報連携は不可欠だ。情報共有の場として週1回の事業所間連絡会を開き、施設、在宅のスタッフが定期的に顔を合わせ目的の共有化を図っている。「これまで施設ケアマネは施設内での利用者の生活しかみていなかったが、これからは利用者に対してマネジメントする範囲を『施設内』から『地域』に広げていく必要を感じている」と同施設のケアマネジャーである斉藤貴也氏は話す。(以下略)