介護・福祉関連ニュース
報酬改定で業績大幅改善 介護事業大手各社、処遇改善に注力
2009/11/27 介護事業を行う上場各社の2010年3月期の中間決算が出揃った。初の介護報酬アップや人材確保環境の改善により、多くの事業者が大幅な増収増益となった。プラス改定の目的である処遇改善についても「将来的な成長に向け人材への投資が不可欠」と各社とも力を入れる方針という。 今回調べたのは12社の中間決算(一部介護部門のみ)。 業界トップの売上高のニチイ学館のヘルスケア事業は過去最高の売上高を更新、営業益についても黒字に転換した。在宅介護事業が利用者が前年同期比5・4%増と好調だったほか、昨年収益面で足を引っ張ったコムスン承継事業を主とする居住系サービスの稼働率が半年で約3%改善した。教育事業では、政府の雇用促進策を受け、ヘルパー講座が前年同期比7割増なのも追い風だ。(以下略)
地域包括ケア推進で全国会議
2009/11/27 介護・医療など53団体 厚生労働省は17日、「全国地域包括ケア推進会議」の初会合を開催した。介護保険関連の職能団体や事業者団体にとどまらず、医療関係団体、生活支援関連団体など地域包括ケアシステムを構成すると想定するメンバーの参加も求め、取り組みを推進していくのが目的だ。構成団体は、全国老人福祉施設協議会や全国有料老人ホーム協会、日本介護支援専門員協会、日本医師会、全国ホームヘルパー協議会、認知症の人と家族の会、高齢者住宅財団など53団体。会合では、①緊急雇用対策②介護職員処遇改善交付金の周知③雇用対策の関連施策――などの説明が行われた。(以下略)
独自研修で”ギャップ”埋める 川崎市が無料ヘルパー2級講座
2009/11/27 現場意識し実践形式で 失業対策として、ヘルパー2級研修を無料で受講出来る制度が増えているが、就職に結びつける効果は今一つの声もある。こうした中で、神奈川県川崎市が今年7月から実施している介護未経験者向けのヘルパー2級研修は現場とのギャップを少なくするよう努力した結果、研修終了前に就職先が決まる受講生も出るなど、効果を上げているようだ。 川崎市が取り組んでいるヘルパー養成研修は、地域の雇用創出を目的に厚生労働省が全国の自治体から雇用創造効果が高い事業構想をコンテスト方式で選抜する「地域雇用創造推進事業」の一環だ。(以下略)
包括支援センターの9割「緊急対応事例」を経験
2009/11/27 立命館大調査報告 立命館大学小川栄二教授などによる調査研究班はこのほど、介護サービスや社会的援助が必要な状態にありながらサービスを利用出来ていない、いわゆる「潜在化する要援護高齢者」の問題について調査したところ、創設から2年以上経った地域包括支援センターがその発見機能や対応機関の中心を果たしつつある実態が明らかになった。包括センターの9割は、緊急対応や早期に手立てを講じなければならかった「緊急対応事例」を経験していたほか、担当する圏域で自宅等で孤立死した事例を経験したセンターも7割近くある。予防的な関わりより、生活や健康状態が悪化した後での対応が増えていると考えられるとしている。(以下略)
「介護職員処遇改善交付金」 大手 一時金や賞与で還元
2009/11/27 小規模・NPO 基本給、休日出勤など 介護職員の給与アップを目的に導入された「介護職員処遇改善交付金」。10月末までに申請した事業所数は全国平均で7割どまり。介護職員限定や、事務作業の煩雑さなどが敬遠される原因と言われているが、実際に申請した事業者に聞くと、「職員や利用者にも喜んでもらえるような方法で還元したい」「介護職以外も含めて研修計画を拡充した」など、有効に使ってモチベーションアップにつなげたいと前向きに捉えているところも少なくない。訪問介護を手がける民間事業者を中心に、大手からNPOまで対応を聞いてみた。 本紙1面でも紹介しているように、大手は処遇改善に乗り出している。4月の報酬改定3%アップ以外に追い風となったのがこの交付金だ。年度初めに昇給で対応したところも、その改善分を交付金で申請出来ることになったことが大きい。(以下略)
介護予防事業は予算縮減 事業仕分け 縮減額は"判定不能" 委員から「最低」批判も
2009/11/20 行政刷新会議の事業仕分けは17日で、折り返し。46事業の「廃止」「来年度予算計上の見送り」で総額1500億円、公益法人の基金の返納で7200億円を削り、財源を捻出した。特定高齢者への介護予防事業は、仕分けの結果、「予算縮減」と判定された。縮減額については「判定不能」。介護予防事業の実績を示すデータが不十分と判断されたためだ。「これまでの仕分け事業の中でも最低」と仕分け人が声を荒げる場面も。エビデンスに基づく評価が必要とし、厚労省に猛省を求めた。 仕分け対象になった介護予防事業は、介護保険の中の地域支援事業交付金から支出されているが、国の負担分の4分の1について毎年予算要求している。2010年度の概算要求額は、約200億円。(以下略)
ケアマネ研修 予算半減
2009/11/20 内容見直しも要求 子どもからお年寄りまで、幅広い年代層が自由に集える地域の“居場所づくり”を目指す「コミュニティーカフェ」が全国各地に広がりをみせている。12日には、コミュニティーカフェの主宰者やこれから始めたい人、研究者、NPOなどが東京に集まり、初の全国ネットワークが結成された(写真)。 コミュニティーカフェは、お茶や食事を提供するだけでなく、1人暮らしの高齢者や子育て中の母親、障害のある人など、様々な人が自由に集い交流する、まさに“コミュニティー広場”だ。事業仕分けで「介護支援専門員資質向上事業」は、ケアマネの更新研修や主任ケアマネ研修への補助で、来年度概算要求額は3億5千万円。 都道府県により、例えば主任ケアマネが負担する受講料が「0円」の山形県・山梨県・愛媛県・沖縄県から、「6万円」の大阪府まで開きがあり、何に対する補助か基準が不明であり、使われない額も2億円あることが予算担当部局から問題と指摘された。(以下略)
「コミュニティーカフェ」広がり 初の全国組織も結成
2009/11/20 子どもからお年寄りまで、幅広い年代層が自由に集える地域の“居場所づくり”を目指す「コミュニティーカフェ」が全国各地に広がりをみせている。12日には、コミュニティーカフェの主宰者やこれから始めたい人、研究者、NPOなどが東京に集まり、初の全国ネットワークが結成された(写真)。 コミュニティーカフェは、お茶や食事を提供するだけでなく、1人暮らしの高齢者や子育て中の母親、障害のある人など、様々な人が自由に集い交流する、まさに“コミュニティー広場”だ。(以下略)
組織横断で政策提言を 介護人材キャリア開発機構が呼びかけ
2009/11/20 12月に国際フォーラム 個別ケア、ユニットケアなど介護現場向けの研修カリキュラムや教材の開発・提供を行っているNPO法人介護人材キャリア開発機構(理事長=山田尋志高齢者福祉総合施設ももやま園長)はこのほど、今後の社会保障政策や人材育成のあり方について所属法人や組織、団体の枠を超えて考え、政策提言として発信していくことを介護業界全般に賛同を呼びかける活動を開始した。人口が急減する中で社会保障費が増大、経済は縮小傾向という社会構造は政権が変わっても変わらない。介護事業に携わる多くの人がこの点に共通認識を持ちながら、社会保障のニーズに対応していくための方策を提案していくことが必要だという認識だ。まずは12月23日に大阪市内で国際フォーラムを開催する。(以下略)
処遇改善交付金キャリアパス 受給支援に指針案作成
2009/11/20 職位と役割など整理 全国経営協 全国社会福祉施設経営者協議会(経営協、高岡國士会長)は現在、来年度から介護職員処遇改善交付金の受給要件に追加される「キャリアパス」について、事業者が要件を満たせるように支援するためのガイドラインを作成している。このほどまとまった「案」では、法人や組織における職位に対応する役割・業務内容について整理したほか、本来キャリアに応じて求められる能力や必要となる研修についても提案しているのが特徴だ。交付金要件にとどまらず、長期的な展望を持って介護職としてのキャリアを積んでいけるような雇用環境の整備につなげていきたいとしている。2010年1月までに完成させる予定だ。(以下略)
介護予防事業も対象に 行政刷新会議「事業仕分け」スタート
2009/11/12 介護予防事業も対象に 行政刷新会議「事業仕分け」スタート 来年度予算の概算要求のムダを削る目的で実施される内閣府の行政刷新会議(議長=鳩山由紀夫内閣総理大臣)の「事業仕分け」が11日から都内でスタートした(写真)。俎上にのぼった事業は計447で、介護分野では有効性が曖昧として、介護保険外の予防事業などが対象になった。医療崩壊を食い止めるために開業医と病院勤務医の診療報酬の配分を見直すことには仕分けの評価者全員が賛成、診療報酬の審査支払いを行う社会保険診療報酬支払基金と国保連合会の統合も賛成多数など「聖域」にばさばさと切り込んでいった。(以下略)
高専賃の基準引き上げ 19日から事前申請受け付け
2009/11/12 高齢者居住安定確保法の改正に基づく、高齢者専用賃貸住宅(高専賃)の登録の受付が今月19日から始まる。住戸面積25平方m以上など要件を引き上げたのがポイント。来年5月以降新基準をクリアしないと登録できなくなる。現在の高専賃のうち2~2・5割が基準を満たせず登録できないと見ている。 高専賃は、高齢者の入居を断らないアパートなどの情報を提供する高齢者円滑入居賃貸住宅のうち、専ら高齢者に賃貸する住宅の登録制度として2005年に制度化された。特に規制はなく戸数や賃料など所定の事項を都道府県に登録すればよい仕組みとなっており、06年度は9986戸、07年度1万8794戸、08年度は2万9766戸と右肩上がりに増加している。最近では、介護付き有料老人ホームの代替として、介護など「サービス付き」で参入する介護事業者も多い。(以下略)
成年後見人に医療同意権を
2009/11/12 日弁連高齢者委が法律要綱案 日本弁護士連合会の高齢者・障害者の権利に関する委員会はこのほど、認知症などで同意能力が低下している人が必要な医療を受けられるようにするため、成年後見人に医療同意の代行権を与える法律要綱の検討案を公表した。今後、具体的な議論につながることを期待している。 成年後見人は、医療を受けるための同意を代行することはできない。生死にかかわる場合は医師が判断し、家族や子ども、配偶者などの同意で行われているのが現状で、身寄りのない人や家族と本人の意向が対立している場合などの同意の仕組みがないのが課題だ。(以下略)
GHの介護職にも医療的ケアを
2009/11/12 日本認知症グループホーム協会 顧問福島 弘毅氏 「終いの住処」共通認識に 制度設計考える時期 厚生労働省は来年度から、特養ホームの介護職が医療行為の一部を実施出来るようにする方針を固めている。これに対し、「重度化対応の困難は小規模なグループホーム(GH)の方が深刻」と指摘し、GHの介護職も医療的ケアに関われるようにするべきと話すのは、日本認知症グループホーム協会顧問・福島弘毅氏(福島外科クリニック院長)だ。福島氏を委員長に06年度から取り組んだ調査研究では、入居者の23%が要介護4以上、GHで看取った利用者も死亡退居者の半数近くに達している。当初想定した通過施設とは乖離している現実を直視し、「終いの住処」を共通認識として制度を考えていく時期にきているという。(以下略)
ワタミ高齢者向け配食事業拡大
2009/11/12 来春、関西圏進出へ ワタミ(東京都大田区、桑原豊社長)は在宅高齢者向けの弁当宅配事業を強化する。来春、関西に弁当製造の新工場を開設し、現在は関東の一部と九州で展開しているワタミタクショクの弁当宅配事業を関西圏でも展開する。順次サービスを広げ、2013年までに沖縄を除く全国に事業を広げいく考えだ。また、有料ホーム事業のワタミの介護では、初期投資が少なく現在の設定よりも入居金が廉価なホームの検討を進め、今後の全国展開への足がかりとする。10日に行われた10年3月期の中間決算説明会の場で明らかにした。(以下略)
自治体の条例に委任 面積、人員配置など例外 介護サービス基準 厚労省方針
2009/11/06 厚生労働省は4日、地方分権改革推進委員会の第3次勧告に対する方針を公表した。地方分権を推進するという政権の方針を受け、現在は国が一律に義務付けている保育・介護・障害者などの福祉サービスの基準を自治体の条例に委任することを受け入れるが、質の確保のためと、居室面積、人員配置など一部の基準は例外とする内容だ。ただし、自治体が国の参酌基準よりも低い条例を定めた場合は介護報酬等を減額する罰則もあり、実質的な拘束力が維持されることになる点は、今後、議論になりそうだ。実施されれば介護保険制度も大きく影響を受けることになる。(以下略)
後期高齢者の廃止明言改善のうえ新制度移行
2009/11/06 長妻厚労相 長妻昭厚生労働相は2日の衆院予算委員会で、後期高齢者医療制度について、「現行制度の問題点を改善した上で、老健制度には戻さず、新しい制度に移行する」と改めて廃止の方針を明言した。同相は、新制度を検討する検討会を近く立ち上げる見通しだが、新制度は、13年度施行になるとの見方もある。介護療養病床の廃止についても、11年度末の廃止期限に猶予を設ける考えを示した。 民主党の平岡秀夫議員の質問に答弁した。 長妻厚労相は、後期高齢者医療制度を改善した上で廃止し、新制度に移行すると述べた。改善点は、①保険料滞納者に保険証を返還させ、窓口負担を一旦全額負担とする資格証明書を原則交付しない②人間ドック助成事業を再開する③自治体への義務付けのない健康診査について受診を促す――の3点を挙げた。同省は10月26日付けでこれらの改善を指示する通知を、都道府県広域連合宛てに行っている。(以下略)
障自法廃止 改めて明言
2009/11/06 長妻厚労相 フォーラムに1万人 障害者自立支援法の廃止と当事者参画による新法制定を求めるフォーラムが10月30日、東京・日比谷公園で開催され、会場周辺を埋めた参加者は約1万人に上った。長妻厚労相(写真右)は、障害者自立支援法の廃止を改めて明言するとともに「4年間の政権1期の中で、皆様方と応能負担の制度を創設していく」と今後の障害者施策の方針を語った。障害者団体からは、当事者が参加する仕組みでの制度の谷間のない「新たな総合法」の制定などを求める大会アピールが手渡された。(以下略)
介護の日 振り返ってみよう介護の原点
2009/11/06 11月11日は「介護の日」。一般の人に介護を身近にとらえてもらい、介護の仕事の魅力をアピールする機会にしようと今年も全国で様々なイベントが予定されています。お祭りも結構ですが、改めて介護のルーツを考えてみるのも良いのではないでしょうか。「介護って何だろう?」「いつから介護っていう言葉を使うようになったの」など、知らないことは意外に多いものです。原点を振り返るヒントを取材してみました。(以下略)
男性介護にも注目を
2009/11/06 男性介護者と支援者の全国ネットワーク代表荒川不二夫さん 孤独な介護者減らしたい 妻や親の介護に携わる男性介護者を支援する活動を行っているボランティアグループが中心となって、今年3月に発足した男性介護者と支援者の全国ネットワーク。全国150人あまりの介護体験記をまとめた「男性介護者100万人へのメッセージ」が、初版1千部を売り切ってしまうなど注目を集めている。(以下略)
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