介護・福祉関連ニュース
休業要請の運用を改定 新型インフルエンザ通所系サービスへの対応 地域による対応格差も
2009/05/28 政府の方針変更を受け、厚生労働省は22日、新型インフルエンザで休業要請の運用を見直した。これまでは「原則」、臨時休業を要請するとしていたものを、感染状況を踏まえて対応を2段階にする。感染初期については、これまで同様の扱いだが、まん延したら、「季節性インフルエンザ」と同様の扱いというまだ「慎重」な内容だ。しかし、地域による裁量も認めたため、いち早く、感染者が出ても介護事業者などへの休業要請は行わない方針を打ち出す自治体も。休業の対応は地域により差が出そうだ。 政府の新型インフルエンザの対策に基づき、大阪、兵庫では介護サービスのうち、短期入所(新規受け入れ)、通所系サービスの1週間の休業要請が行われた。最も感染者数が多い兵庫県では、高齢者の通所系サービスでの休業要請施設数は1552カ所。利用者の生活や事業者の経営面への影響も課題として浮上していた。(以下略)
地域包括ケア3年後視野に論点整理
2009/05/28 厚労省研究会が報告 地域包括ケア研究会(2008年度老人保健健康増進等事業、座長=田中滋慶應大学大学院教授)はこのほど、25年を目標に地域全体で医療、介護、福祉を提供して高齢者を介護する「地域包括ケアシステム」の実現に向けての論点整理を発表した。12年の診療報酬・介護報酬の同時改定や、その前段での介護保険法改正の粗い叩き台とも言える内容だ。サービスの質に着目した介護報酬体系への見直しや施設でのサービスの外付け、地域包括支援センターの機能拡大など広範囲な見直しに言及している。(以下略)
経過措置導入から1カ月余 認定の形骸化懸念の声も
2009/05/28 何のための審査会か モチベーション低下 新しい要介護認定に経過措置が導入されて1月余り。認定を担う自治体からは、経過措置が長引けば、認定そのものが形骸化しかねないという声が上がり始めている。更新で認定結果が変更になった場合は、低くなっても、高くなっても、これまでの認定と新しい認定の好きなほうを選べるようにしたためだ。認定審査会では新しい基準に沿って審査しているが、どんなに真剣に議論した結果でも、最終的には利用者の意向でひっくり返ることになり、「何のための審査会か」とメンバーのモチベーションは下がる一方という。 「本来は検証が終わってから、新基準を実施すべき。せめて経過措置は3月末までに決めてもらいたかった」 そう話すのは横浜市介護保険課だ。 国が経過措置の導入を決めたのは、新しい要介護認定がすでにスタートしていた4月中旬だ。毎月6千~7千件の更新認定を受け付ける横浜市。国からの通知が着いたのは4月下旬。すでに4月1日から5900件の更新申請を受理しており、ほとんどの調査が終わっている状態だった。(以下略)
「ひやり・はっと」3割超は事故 福祉士会まとめ 定義の明確化必要
2009/05/28 日本介護福祉士会(石橋真二会長)はこのほど、介護現場における事故の発生や対策の状況について実施した調査研究の報告書をまとめた。 過去1年間で事故やひやり・はっとがあったかどうかについては、事故で5割近く、ひやり・はっとで35%が「0件」で一番多かったが、ひやり・はっととして報告された557件の内容を分析したところ、35・5%にあたる198件は、利用者に外傷を与えている「事故」に分類すべきものであることが分かった。 7割以上の事業所では事故予防・対策のためのマニュアルや記録様式などを整えているが、定義そのものがあいまいなため、現場レベルで介護事故についての共通認識が形成されていないことが浮き彫りになった。(以下略)
訪問介護Q&Aを改正 大阪府 ケアマネ判断拡充
2009/05/28 大阪府は4月から、訪問介護の報酬算定の可否の根拠として示していた「訪問介護サービス内容に係るQ&A」を大幅に改正した。 これまで通院の帰り道の立ち寄りや散歩の同行介助、冷暖房機の出し入れなどはケアプランに位置付けられていても不適切なサービスとして一律に保険給付の対象外としていたが、改正版では多くのケースがケアマネジャーの適切なマネジメントに基づく判断があれば算定出来るようになっている。 Q&Aは都道府県が実地指導の際に報酬返還を指導する根拠にもなっているが、地域によって判断基準にバラつきがあり、ケアマネジャーやサービス事業者から「不当な給付抑制」「ローカルルール」などと批判の的になっていたものだ。(以下略)
280時間の養成課程受講 実務経験2年→3年に 介護福祉士取得基礎研修修了者 厚労省が方針
2009/05/21 厚生労働省は来年度から、介護保険法で実施されている介護職員基礎研修の修了者が介護福祉士を目指す場合、新たに280時間の養成課程の受講と3年の実務経験を受験資格要件とする方針を固めた。これまで「2年以上」としてきたのを引き上げたかたち。 改正社会福祉士・介護福祉士法で2013年1月実施の国家試験から、3年の実務経験者にも600時間の養成課程の受講を義務付けることが決まっているが、基礎研修との関係は未整理だった。働く側から見れば介護福祉士取得のハードルはまた一段と高くなったと言える。7月頃にパブリックコメントを実施し、省令改正を行う予定だ。(以下略)
改正高齢者居住確保法が成立
2009/05/21 8月施行めど基本方針 ケア付き住宅の供給促進を目的とした改正高齢者居住安定確保法が13日、参院本会議で全会一致で可決し成立、20日に公布された。8月下旬に施行の見通し。国土交通省と厚生労働省は施行までに、都道府県が策定する「高齢者居住安定確保計画」のベースとなる基本方針や策定マニュアル、高齢者円滑入居賃貸住宅の新たな登録基準などを示していく予定だ。 改正法は、同法を両省の共管法とし、高齢者向け賃貸住宅や老人ホーム供給に関する基本方針の策定のほか、都道府県による「高齢者居住安定確保計画」の策定、高齢者円滑入居賃貸住宅の登録基準の設定、合築型の高齢者優良賃貸住宅の一部の社会福祉法人への賃貸 などを盛り込んだ。(以下略)
新型インフルエンザ 通所系事業に初の休業要請
2009/05/21 代替サービス確保「ケアマネ任せ」に 新型インフルエンザに備えて、万端の準備を整えていたはずだが、神戸市での集団感染は現実に大きな落とし穴があることを思い知らせたかたちだ。政府の対策では、国内で発生が確認された場合に、まん延防止のため通所系サービスに1週間の営業の自粛を求めることになっているが、サービスを利用出来なくなると生活が継続出来ない人への対応をどうするかは「想定外」。神戸市では訪問介護への緊急対応を求めたが、手続きの簡素化などの実務的な連絡は後手に回った。そのとき、どうするか。事業者も行政も改めて、対策を練り直す必要がありそうだ。(以下略)
インドネシア介護士が交流会
2009/05/21 仕事、暮らしに落ち着き EPAへの改善要望も 不安は国家試験合格 「ずっと日本で働き続けたいけれど、日本語の国家試験に合格するかとても心配です」 。全国老人福祉施設協議会の加盟施設でEPAにより受け入れたインドネシア人介護福祉士候補生の交流会が14日、都内で開かれた。1月末に職場に入り、仕事や周囲の環境に順調に慣れてきてはいるが、将来への不安を口々に訴えた。集まったのは、全国12施間報告書をまとめた。 2008年度から2カ年で実施している事業で、目的は地域包括支援センターに所属する社会福祉士が、総合相談・権利擁護業務を行っていく上で重要となる地域の社会資源の開発・連携のためのネットワークを構築し、活用していく技術を修得する研修プログラムを開発することにある。(以下略)
包括センターの社会福祉士 社会資源開発に研修
2009/05/21 福祉士会が試案を提案 日本社会福祉士会(村尾俊明会長)はこのほど、「地域包括支援センターにおける連携・ネットワークの構築に関する研究研修事業」の中保法が成立 8月施行めど基本方針 ケア付き住宅の供給促進を目的とした改正高齢者居住安定確保法が13日、参院本会議で全会一致で可決し成立、20日に公布された。8月下旬に施行の見通し。国土交通省と厚生労働省は施行までに、都道府県が策定する「高齢者居住安定確保計画」のベースとなる基本方針や策定マニュアル、高齢者円滑入居賃貸住宅の新たな登録基準などを示していく予定だ。 改正法は、同法を両省の共管法とし、高齢者向け賃貸住宅や老人ホーム供給に関する基本方針の策定のほか、都道府県による「高齢者居住安定確保計画」の策定、高齢者円滑入居賃貸住宅の登録基準の設定、合築型の高齢者優良賃貸住宅の一部の社会福祉法人への賃貸 などを盛り込んだ。(以下略)
時間かかる高齢入所者の救急搬送 調布市消防・施設の連携で改善 意識変化で要請減も
2009/05/15 全国的に救急搬送の問題がクローズアップされる中で、東京都でも出場・搬送件数とも右肩上がりの状況にある。特に高齢者は搬送先確保に時間がかかっており、高齢者施設からの搬送も事情は同じだ。少しでもスムーズに搬送出来るように、東京消防庁調布消防署は高齢者施設に対して入所者の情報を事前に記載しておく「QQカード」を導入している。都内では初の試みだ。1年半経って、救急隊の現場での活動時間が短縮し、施設からの救急要請数も減少するという効果が。救急隊に「お任せ」だった施設側の意識が変わっているようだ。 「調布市でも、老人ホームの入居者は、何カ所もの病院に断られることが多く、救急隊が現場に駆けつけてから搬送するまでに時間がかかっています。一言で言えない様々な要因があります」とは調布消防署警防課。 調布市での施設からの救急搬送の要請数は、07年まで年々増加しており、救急隊が現場に滞在する時間も長くなっていた。 救急活動の円滑化のため調布消防署が中心となり、市内の高齢者施設、市医師会、行政が参加する「調布市高齢者救急業務連絡協議会」を立ち上げたのが07年12月だ。(以下略)
「働く場ほしい」訴え 若年性認知症意見交換会
2009/05/15 厚労省 若年性認知症への理解を深めて施策に反映させようと厚生労働省は12日、全国から集まった若年性認知症患者11人とその家族、支援団体などとの意見交換会を行った。 同省の宮島俊彦老健局長が「国としても対策に取り組んでいるが、まだまだこれからの分野。今年度を若年性認知症対策元年と位置付けたい」と述べた。 患者からは「仕事がしたい、社会的なつながりがほしい」といった声が最も多く上がった。(以下略)
グリーフワーク対人援助職養成プログラム開発へ
2009/05/15 ルーテル学院が研究所 ルーテル学院(東京都三鷹市)はこのほど、死や生命の危機に直面した人などに対して適切なグリーフワークが行える専門職やボランティアの養成プログラムを開発するため、大学院の付属機関として「包括的臨床死生学研究所」を開設した。喪失・悲嘆への介入に関する具体的なトレーニング方法や現場の実践者とのネットワークによる協働研究などを行っていくという。また、大学では地域づくりにかかわる人材養成づくりを目的とした付属機関「コミュニティ人材養成センター」も設立した。地元の三鷹市などと協働で、住民を対象とした養成講座をスタートさせる。(以下略)
どうする?連携 介護と看護
2009/05/15 “正しい医療知識”でケア 何でも言い合い、学びあう 東京都八王子市にある特養ホーム「みやま大樹の苑」(社会福祉法人アゼリヤ会)は、21年前の開設当初から、他の施設では入居を断られた経管栄養や在宅酸素の療養者を積極的に受け入れてきた中で、看護職から介護職に対する医療知識の教育や情報の共有が日常的に定着するようになった。吸引を必要とする高齢者やターミナルの人も常に存在するが、夜間は介護職だけで対応出来るのも、的確なアセスメント力と技術が身に付いたことが大きい。何でも話し合い、お互いの仕事を認め合える関係が連携の第一歩だという。 みやま大樹の苑は1988年に開設。新宿区や日野市など都内4自治体と「ベッド確保契約」があり、113人の定員は常に満床に近い状態で稼動している。 入居している高齢者の平均年齢は86・4歳、要介護度も平均4と高いのは、同施設が鼻腔栄養や経管栄養、在宅酸素療養者など医療的ケアが必要な人を積極的に受け入れていることが大きい。現在は10人が経管栄養。全員、吸引も必要な状態だ。 「多いときは一度に17人の経管栄養ケアを実施したこともありました。でも、開設当初からの方針なので、ごく自然なことなんですよ」 さわやかな笑顔で淡々と話すのは稲垣瑞恵さんだ。稲垣さんは看護師で総合病院やがん病棟の勤務経験を持つが、看護師になりたての頃から高齢者施設での「生活を支える看護」に関心があったという。みやま大樹の苑には開設時から勤務。現在は医務統括主任として看護とリハビリテーション部門の責任者を任されているベテランだ。(以下略)
介護労働に適正評価を ケアの市場価格化に挑戦
2009/05/15 グレースケア機構 「全体の評価高めたい」 低賃金・低待遇 。そんな介護職の現状を変えようとケアサービスの自由価格市場での展開に活路を見出そうとしているのがグレースケア機構だ。代表を務める柳本文貴さんは、元はコムスンのグループホームの施設長。顧客との契約でケア専門職の技能に応じた適切な報酬を実現したい、と挑戦を続けている。 NPO法人のグレースケア機構は昨年4月に設立。利用者が必要とする幅広い生活支援サービスを、介護保険や障害者サービスの制度の枠にとらわれず提供している。上乗せ・横出しではなく、ケアを利用者との契約で価格を決める。家事代行や生活支援のサービスは他にも様々あるが、同法人の特徴は、”フェアな報酬設定”を打ち出していることだ。(以下略)
「無届け」に1万4千人施設利用の保護受給者 管轄外入居の8割は都民 厚労省調査
2009/05/01 厚生労働省は4月23日、社会福祉各法の対象とならないいわゆる「無届け施設」や共同住宅に入居している生活保護受給者は、今年1月時点で、全国に1万4268人にのぼるとの調査結果を公表した。うち県外の施設に入居しているのは617人。この8割にあたる517人は東京都内の区市町村から保護費を受給していた。都市部での保護受給者の受け入れ施設不足を受けて、郊外の施設に入居しているケースが多い実態が浮かび上がった。 同調査は、今年1月、生活保護受給者を劣悪な住環境に住まわせて、割高な家賃を徴収する「貧困ビジネス」にあたる施設や住宅があるとの指摘を受け、老人福祉法や社会福祉法などの適用外となっている宅老所や高齢者専用賃貸住宅、ホームレスを対象とした施設や共同住宅などを対象に実施された。こうした施設には、有料老人ホームや無料低額宿泊所としての届け出義務がある場合が多いとして、届け出を指導する基礎資料にするのも目的だ。 速報によると、無届け施設で生活している保護受給者は43都道府県で1万4268人。最も多いのは大阪府で2638人。次いで北海道1618人、愛知県1218人、千葉県1122人だった。(以下略)
補正予算案を国会に提出
2009/05/01 厚労省分は総額4兆7千億円 大都市の施設整備促進 政府は4月27日、追加経済対策の財源を盛り込んだ09年度の補正予算案を国会に提出した。厚労省分は総額4兆6718億円で、うち介護分野には8443億円をあてる。最終段階で、大都市部での特養などの整備を促すため、定期借地権付きの用地を借りて整備する施設について、前払い金の半額程度を助成する案も加えている。また、介護サービスと同様に、障害福祉サービス事業者で働く福祉・介護職員の賃金アップのための助成も行う。(以下略)
介護保険料 全国平均は4160円
2009/05/01 過去最低の伸び率1.7% 厚生労働省は23日、2009~11年の65歳以上の介護保険料(基準額)の全国平均(加重平均)を4160円と発表した。06~08年の保険料(月額4090円)から1・7%の伸びにとどまり、伸び率は過去最小となった。 全国の保険者数は、4月1日現在で1628団体。このうち前期より保険料を引き上げた保険者は約55%(902団体)なのに対し、引き下げたのは約25%(403団体)、据え置いたのは約20%(323団体)だった。(以下略)
どうする無届けホーム 鈴木亘・学習院大教授に聞く 数十万人の介護施設難民化防げ
2009/05/01 民間ホームにも補足給付拡大を 10人が死亡し、最悪の結果となった群馬の火災を契機に無届けホームの問題が表面化している。厳しい行政指導を求める意見もあるが、それでは問題が水面下に潜るだけと指摘するのは、鈴木亘・学習院大学教授だ。生活保護、医療、介護と縦割りで、いずれも給付抑制に向かった結果、低所得の高齢者が入居出来る施設が圧倒的に足りなくなった現状が背景にあるからだ。対策としては、現在は介護保険施設だけに限定されている入居費用の低所得者対策を民間ホームにも拡大して届け出のメリットを作り、「底上げ」を図ること、参入障壁になっている民間ホームの「総量規制」を撤廃することなどを挙げている。このまま行けば、数十万人が介護施設難民化することが想定されるとも。教訓は生かせるか。(以下略)
知りたい!個別研修の今 研修計画、目標作り全員で すこやか福祉会
2009/05/01 訪問前後、フォロー重要 2006年度から導入された特定事業所加算、そして今年度の改定で始まったサービス提供体制強化加算の中でも計画的・個別的な職員研修の実施が条件となった。東京都足立区や葛飾区などで17の訪問介護事業所を運営しているすこやか福祉会(竹森チヤ子理事長)は、常勤・非常勤の別なく1人ひとりが目標を立てて計画的に研修に参加する「全員参加」の研修を続けている。すでに全事業所が加算を取得した。直行直帰のスタイルをとらず、訪問前後にヘルパー個々の課題をフォローする体制であることも、学んだものを現場できちんと生かすために欠かせない要素となっている。(以下略)
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