介護・福祉関連ニュース
負担増・給付抑制両論を併記 介護保険改正へ 介護保険部会が「意見」取りまとめ
2010/11/26 社会保障審議会介護保険部会は11月25日、「介護保険制度の見直しに関する意見」(案)を取りまとめ、5月末からの議論を終了した。前回提示された素案を修正し、利用者負担増や給付抑制につながる論点についてはほぼすべてに賛否両論を併記し、最終的な判断は政治に委ねた形だ。 高齢者の保険料が第5期には「限界」とされてきた5000円を超える見通しもある中で、今後の介護保険制度を将来的に安定的に運営していくかが焦点のはずだったが、財源が手当てできない新しい支出は原則認めないとする政府の財政運営原則に沿って、利用者負担増や給付抑制による当面のやり繰りに終始した形。公費投入には恒久財源の手当てが必要となり、厚生労働省だけの対応を超えた問題とも言える。 (以下略)
給付抑制・負担増でも地域包括ケアは推進 介護保険制度見直し、「意見」を読む
2010/11/26 事業者に厳しい面も 社会保障審議会護保険部会が25日にまとめた「介護保険制度の見直しに関する意見」では給付抑制や、利用者負担増はやむを得ないとする考えを全面に押し出した。財政論優先とする一方で、同省が目指してきた「地域包括ケア」の下準備には余念がない。保険者による事業者指定の関与の強化や労基法違反を指定取り消しの要件とするなど事業者にとって厳しい内容も含んでいる。 厚生労働省が突然、財政優先に舵を切ったのは10月下旬から。提示していた給付と負担の見直しにかかわる論点について、11月19日に財政試算を示すとともに、取りまとめの素案を早々と提示した。「介護保険の伸びをできるだけ抑制することに配慮することが必要」とし、給付の見直しについては、現在は無料のケアプラン作成費(居宅介護支援・介護予防支援)の自己負担導入、一定所得以上の人の利用者負担を1割から2割に引き上げることについて、「検討すべき」と強い調子で盛り込まれていた。(以下略)
足立区に都市型軽費 第1号来春開設
2010/11/26 高専賃に併設 群馬県渋川市の未届け高齢者施設の火災死亡事故を受けて今年4月、厚生労働省が創設した「都市型軽費老人ホーム」の都内第1号施設が足立区に来春開設される。ただ都内では、土地確保や事業採算の問題から、具体化が進んでおらず、初年度800床の整備目標達成は困難な状況だ。 2009年3月に群馬県の「静養ホームたまゆら」で入居者10人が死亡した火災事故の犠牲者には、東京都墨田区の生活保護受給者が多数含まれていた。 これを受け、厚労省は今年4月に省令を改正。東京23区や武蔵野市など大都市部の一部地域に限った「都市型軽費老人ホーム」を新たに設けた。大都市部でも開設しやすいよう、従来の基準を見直し、個室面積の最低基準を7・43平方mに縮小。定員も20人以下、施設長や生活相談員の兼務も認めた。(以下略)
半数近くが身体の不調訴え ケアラー連盟が介護者実態調査で中間報告
2010/11/26 8割が「在宅手当」希望 要介護高齢者や障害者を始め、病気療養中の人の看病や引きこもりの子どもの世話など、何らかのケアが必要な家族や近親者、友人、知人などを無償でケアする人(ケアラー)を支援する法律の制定や新たなサービスの整備を実現するため、今年4月に発足した「ケアラー連盟」(理事長=牧野史子介護者サポートネットワークセンター・アラジン代表)がこのほど、法律制定の根拠とするために実施している全国実態調査結果の中間報告をまとめた。1日のうち「ほとんど終日」をケアに費やしている人が約3割、身体の不調を訴える人も半数近くに上っていることなどが明らかになった。国は介護保険改正で家族支援強化を掲げ、24時間地域巡回型訪問サービスなどの創設を打ち出しているが、調査では介護者に対する現金手当の支給や、年金受給期間として介護期間を考慮することを求める声が8割。介護者の所得保障も含めた幅広い支援を求めていることが分かる(以下略)
高専賃ならではのケア向上 高専協が初の研究大会を開催
2010/11/26 「ケアマネジメントが要 高齢者専用賃貸住宅などの運営事業者が集まる「高齢者専用賃貸住宅協会」(橋本俊明会長)は24日、第1回高齢者集合住宅研究大会を都内で開催した(写真)。320人が参加した。大会テーマは「高齢者集合住宅におけるケアの在り方」。事業者などが参加したシンポジウムでは、ケアマネジメントの工夫で、要介護度の高い入居者も支えられているなど高専賃の特徴を生かしたサービス提供の現状が報告された。次回は来年5月に研究大会を開催し、「高専賃ならではのケアの向上」につなげていく考えだ。(以下略)
「生活援助」、利用者の7割に効果 要介護5でも64%
2010/11/18 介護保険制度内での存続を 日生協が調査 日本生活協同組合連合会(日生協、東京都渋谷区)は16日、介護保険制度の訪問介護の生活援助サービスと介護予防訪問介護について、要支援を含むすべての介護度の維持、改善に効果があったとする調査結果を発表した。生活援助の専門性とサービス効果の高さが立証されたとして、介護保険制度から切り離さず、制度内のサービスとして明確に位置付けるよう強く求めていく考えだ。 今年7月中旬から8月末にかけて、訪問介護事業を展開している5つの購買生協に対し、利用者アンケートを実施。利用者とその家族からケアマネジャーが聞き取る方法で、579人から回答を得た。 ケアマネジャーに対し、生活援助サービスの利用により、利用者の心身の状態の維持・改善が進んだかどうか聞いたところ、「維持、改善した」と答えた割合が74%に上った。 (以下略)
介護職の医療ケア拡大新制度 12年度の施行目指す
2010/11/18 厚労省検討会 厚生労働省が、軽度者の生活援助サービスを保険給付から外すなど「給付抑制」「利用者負担増」を論点として挙げたことを受け、本紙でアンケートを行ったところ、7割近くが「反対」したのは、生活援助の保険給付外しだった。その他の論点は立場により賛否両論。どう決めたとしても不満は残りそうだ。一方、自由記述をみると、最も多かったのが「消費税増税による財源の確保」。官僚主導での小手先の見直しより、政治の場で性根をすえた改革を望む声が多いと言える。(4面に「主な意見」)(以下略)
生活援助の給付外し「反対」7割 本紙アンケート
2010/11/18 「給付と負担」で賛否両論 政治の場で抜本改革を 厚生労働省が、軽度者の生活援助サービスを保険給付から外すなど「給付抑制」「利用者負担増」を論点として挙げたことを受け、本紙でアンケートを行ったところ、7割近くが「反対」したのは、生活援助の保険給付外しだった。その他の論点は立場により賛否両論。どう決めたとしても不満は残りそうだ。一方、自由記述をみると、最も多かったのが「消費税増税による財源の確保」。官僚主導での小手先の見直しより、政治の場で性根をすえた改革を望む声が多いと言える。(4面に「主な意見」)(以下略)
食事摂取・排泄など「自立」で可能
2010/11/18 介護報酬でサービスの質評価 検討委報告書 12年度改定で導入を提案 2012年度の介護報酬改定議論が本格化する来年度に向け、課題の1つに位置付けられているのが、介護サービスの質を反映させた報酬評価のあり方だ。検討にあたって基礎資料となる研究事業に取り組んでいた検討委員会(委員長=武藤正樹国際医療福祉総合研究所所長)が、このほど報告書をまとめた。定量的に結果を把握出来る8項目を例に挙げ、介護報酬上で評価を行う中核的な位置付けになると考えられるとした。12年度からの実施に向けた検討を提案している。(以下略)
パイナップルで口腔ケア 介護の日フォーラム、ユニークな取り組み発表
2010/11/18 「介護の日」の11日、厚生労働省と全国社会福祉協議会は介護の日フォーラムを都内で開催した。今回は、介護予防に貢献したり、利用者の満足度が高い取り組みを介護職自身が披露する新企画を用意。パイナップルを使った口腔ケアや入居者全員のオリジナル誕生会の開催など、全国の介護職員によるユニークな介護の取り組み事例が発表された。(以下略)
東京都が特養整備で検討委設置 多床室や延べ床面積 ユニット定員論点に
2010/11/11 東京都は9日、「東京都特別養護老人ホーム施設整備等のあり方に関する検討委員会」(委員長=狩野信夫福祉保健局高齢社会対策部長)の第1回会合を開いた。地域主権改革の進展をにらみ、都として新たな条例整備を行う。個室化を推進する国と争っている多床室の存続や、ユニットの入居定員の見直しなどが主な論点となりそうだ。 現在、国会では「地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案」(地域主権推進一括法案)が衆議院で継続審議中で、今の国会で可決されれば来年4月に施行予定だ。(以下略)
長寿社会開発センター仕分け 多くが「改革案妥当」
2010/11/11 厚生労働省は11月8日、長寿社会開発センター(会長=根本二郎日本郵船最高顧問)などを対象に省内事業仕分け(写真)を行った。民間の高齢者の生きがい・健康づくり事業に対する助成事業が、原資だった福祉医療機構の交付金が廃止されたことによりなくなり、現在はほとんどの事業を自主財源で運営している同センター。仕分け人の多くも「改革案は妥当」と評価した。ただ、今後も指定法人の廃止や、さらなる人員の削減などを求められることになる。(以下略)
独居高齢者を有償で訪問
2010/11/11 安心生活創造事業」 豊中市の事例など発表 単身世帯などが、住み慣れた地域で安心・継続して生活できる地域づくりを目指す厚生労働省の「安心生活創造事業」の第4回推進検討会が9日、東京都内で開かれた。 「安心生活創造事業」は、2009年度に創設。孤立死、虐待などを1例も発生させない地域づくりを目指し、厚労省が選定する「地域福祉推進市町村」が、1人暮らしの高齢者などへの見守り、買い物支援といった基盤支援を行う。事業は11年度まで実施する。(以下略)
医療・介護が連携し「東京モデル」
2010/11/11 日野市に第1号高専賃「風のガーデン」 高齢者生活支援へ開設 医療や介護が必要になっても高齢者が安心して住み続けられる住まいを充実させようと、東京都が独自に整備を進めている「医療・介護連携型高齢者専用賃貸住宅(高専賃)モデル事業」の第1号に指定された「風のガーデン」が1日、東京都日野市にオープンした。高専賃に診療所や通所介護といった医療、介護の事業所を併設し、連携して高齢者の生活を支えることが狙いだ。 都は2009年度からモデル事業を開始。両サービスの実施主体が相互に連携して、効果的なサービスを提供する体制が整備されていることが指定の条件だ。 指定第1号となったのが「風のガーデン」。医療法人社団の康明会(日野市)が開設した。(以下略)
ケアプラン自己チェックを支援
2010/11/11 八王子市がマニュアル作成 東京都八王子市はこのほど、「ケアプラン自己点検支援マニュアル」を作成した。「基本情報シート」「アセスメントシート」などの様式に沿って、ケアマネジャーに情報を整理し直してもらいながら、利用者の意欲や能力を引き出す自立支援のケアプランへの視点が欠けていないか気づいてもらう仕組み。現場のケアマネジャーらと保険者が一緒に作成したマニュアルは全国でも珍しいという。(以下略)
新サービスの財源確保は負担増、給付縮小で 厚労省
2010/11/5 論点提示も決着難航か 厚生労働省は10月28日、社会保障審議会介護保険部会(部会長=山崎泰彦神奈川県立保健福祉大学教授)に、高所得者や軽度者の利用者負担引き上げやケアプランの1割負担の導入、生活援助の給付縮小など給付の見直しにかかわる論点を提示した。財政の制約から新たにサービスを拡充する場合は、介護保険の中で何かで財源を捻出しなければならないことなどが背景にある。(以下略)
厚労省検討会で「600時間」に疑問続出
2010/11/5 厚生労働省は10月29日、「今後の介護人材養成の在り方に関する検討会」(委員長=駒村康平慶應義塾大学教授)を開いた。介護福祉士受験資格について、現役介護職員からヒアリングを実施したが、実務経験だけで受験できる現行の仕組みを維持してほしいとの意見が続出した。 ヒアリングに出席したのは訪問介護事業所、特養ホーム、デイサービス、認知症グループホームなどで働く5人の介護職員。介護福祉士の受験資格に600時間(6カ月)以上の研修が必要になることへの賛否と、受講に必要と考える支援策について意見を聞いた。 同省は7月、介護福祉士受験資格に600時間の養成課程を義務付けることについて、施行を3年間凍結する方針を固めた。事業者団体など身近な地域で受けられる研修も受験資格として認めていく方向で仕切り直す考えだが、600時間以上の研修を義務付ける基本的な枠組みは変えないとしている。(以下略)
給付と負担どう見直す 本紙アンケート実施中
2010/11/5 ムダは「事業仕分け」も 10月28日に開催された介護保険部会に示された「給付や負担見直し」の論点。本紙では早速アンケートを企画した。先行しているネットアンケートには、現場ならではの視点での回答が続々と寄せられている。論点には、新サービスの財源を確保するという名目で給付縮小や利用者負担増の項目がずらりと並んだが、現場の求める改正内容とはかけ離れていると思う方はぜひ、回答を。 (1面参照) 厚労省がこのほど示した論点は、給付縮小・利用者負担引き上げなど利用者の負担が増す項目ばかりで、驚いた読者も多いはずだ。 本紙では、現場目線で「給付や負担のあり方」を検証するために、今回の緊急アンケートを企画。1日からネットで先行して、アンケートを開始したところ、現在も続々と回答が寄せられている。(以下略)
“買い物弱者”の高齢者を救え 横浜市が代行サービス
2010/11/5 見守り、商店街活性化も 高齢者を中心に、食料品など日常の買い物が困難な「買い物弱者」が増えている。経済産業省の推計では、全国で約600万人。独自に支援対策に乗り出す自治体も増えてきた中、横浜市は今年度から、買い物サポート事業に乗り出している。サービス提供事業者に人件費などを補助するもので、新たに人を雇うことが条件だ。地元商店街と二人三脚で取り組む磯子区の事業所は、将来的に商店街へ高齢者を送迎するサービスに発展させたいという。 同事業は、国の緊急雇用対策の一環である「ふるさと雇用再生特別交付金」を活用している。今年5月に事業者の募集を開始し、現在9つの団体が旭区、港南区など9区で買い物支援事業を行っている。(以下略)
セントケア薬局チェーン急拡大へ
2010/11/5 セントケアH セントケア・ホールディング(東京都中央区、村上美晴会長兼社長)は、地域を医療・介護などの複数のサービスを組み合わせて支える地域包括ケア体制の実現に向け、子会社で提供している調剤薬局事業の強化を図る。現在21店舗のフランチャイズ事業所数を急拡大させる考えだ。「在宅中重度者の生活を支えるには薬の観点からのアプローチも必要不可欠。介護事業とのシナジー効果も高い」(事業開発部)と話す。(以下略)
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